n は 3 以上の整数とする。1 から n までの番号が書かれた n 枚の札が袋に入っている。ただし,同じ番号が書かれた札はないとする。この袋から 3 枚の札を同時に取り出し,一番大きな番号を X とする。X の期待値を求めよ。
3 枚の取り出し方は _n\mathrm{C}_3 通りあり、どの組も同様に確からしい。3 枚のうち最大の番号は 3 以上 n 以下で、X のとりうる値は 3 から n までの整数です。
X = k となるのは、k の札が入っていて、残りの 2 枚が 1 から k-1 までの札から選ばれるときです。その選び方は _{k-1}\mathrm{C}_2 通りで、P(X = k) = \dfrac{{}_{k-1}\mathrm{C}_2}{{}_n\mathrm{C}_3} となる。
n = 8 なら、k = 3 から 8 までの _{k-1}\mathrm{C}_2 は 1、3、6、10、15、21 です。足すと 56 = {}_8\mathrm{C}_3 で、どの取り出し方もちょうど 1 回ずつ数えている。
期待値は E(X) = \displaystyle\sum_{k=3}^{n}k \cdot \dfrac{{}_{k-1}\mathrm{C}_2}{{}_n\mathrm{C}_3} です。_{k-1}\mathrm{C}_2 = \dfrac{(k-1)(k-2)}{2} を入れると、E(X) = \dfrac{1}{2\,{}_n\mathrm{C}_3}\displaystyle\sum_{k=3}^{n}k(k-1)(k-2) と書ける。
F(k) = (k+1)k(k-1)(k-2) とおきます。F(k) と F(k-1) は k(k-1)(k-2) を共通にもつので、F(k)-F(k-1) = k(k-1)(k-2)\{(k+1)-(k-3)\} = 4k(k-1)(k-2) となる。
k = 3 から n まで足すと、隣り合う項が打ち消し合って F(n)-F(2) だけが残ります。F(2) = 3 \cdot 2 \cdot 1 \cdot 0 = 0 だから、\displaystyle\sum_{k=3}^{n}k(k-1)(k-2) = \dfrac{(n+1)n(n-1)(n-2)}{4} です。
_n\mathrm{C}_3 = \dfrac{n(n-1)(n-2)}{6} を入れると、E(X) = \dfrac{6}{2n(n-1)(n-2)} \cdot \dfrac{(n+1)n(n-1)(n-2)}{4} です。n(n-1)(n-2) が約分で消え、E(X) = \dfrac{3(n+1)}{4} となる。
n = 3 では 3 枚すべてを取り出すので X = 3 で、式の値も \dfrac{3 \cdot 4}{4} = 3 です。n = 4 では P(X = 3) = \dfrac{1}{4}、P(X = 4) = \dfrac{3}{4} で、3 \cdot \dfrac{1}{4}+4 \cdot \dfrac{3}{4} = \dfrac{15}{4} が \dfrac{3 \cdot 5}{4} と一致する。
取り出した 3 枚の番号を小さい順に p、q、r とし、両端に 0 と n+1 を置きます。4 つの間隔 p、q-p、r-q、n+1-r はどれも 1 以上の整数で、和はつねに n+1 になる。
逆に、和が n+1 になる 1 以上の整数を 4 つ並べれば、3 枚の組が 1 つ決まります。並べる順をいれかえても別の組が 1 つ決まるだけなので、1 番目の間隔が j になる組と、2 番目の間隔が j になる組は同じ数だけある。3 番目と 4 番目についても同じです。
4 つの間隔の期待値は等しく、和が n+1 だから、どれも \dfrac{n+1}{4} です。X = r ははじめの 3 つの間隔の和で、その期待値は \dfrac{3(n+1)}{4} になり、前の節の計算と合う。