座標平面上の曲線
C: y = x^3-x
を考える。
(1) 座標平面上のすべての点 \mathrm{P} が次の条件 (i) を満たすことを示せ。
(i) 点 \mathrm{P} を通る直線 \ell で,曲線 C と相異なる 3 点で交わるものが存在する。
(2) 次の条件 (ii) を満たす点 \mathrm{P} のとりうる範囲を座標平面上に図示せよ。
(ii) 点 \mathrm{P} を通る直線 \ell で,曲線 C と相異なる 3 点で交わり,かつ,直線 \ell と曲線 C で囲まれた 2 つの部分の面積が等しくなるものが存在する。
\mathrm{P}\,(s,\,t) を通る傾き m の直線と C の交点は、x^3-(1+m)x+(ms-t) = 0 の解です。3 次式が異なる 3 つの実数解を持てばよいことになります。
m > -1 なら左辺は x = \pm\sqrt{\dfrac{1+m}{3}} で山と谷を持ちます。u = \sqrt{\dfrac{1+m}{3}} と置くと、山の値が 2u^3+(ms-t)、谷の値が -2u^3+(ms-t) です。
3 点で交わるのは山が正で谷が負のとき、つまり |ms-t| < 2u^3 = 2\left(\dfrac{1+m}{3}\right)^{\frac{3}{2}} のときです。
左辺は m の 1 次、右辺は m の \dfrac{3}{2} 乗ですから、m を大きくすれば必ず右辺が勝ちます。どの \mathrm{P} についてもそういう直線があり、(1) が示せました。
交点の x 座標を \alpha < \beta < \gamma とすると、曲線から直線を引いた差は h(x) = (x-\alpha)(x-\beta)(x-\gamma) です。
2 つの部分の面積は \displaystyle\int_{\alpha}^{\beta} h dx と -\displaystyle\int_{\beta}^{\gamma} h dx です。等しいという条件は、足して \displaystyle\int_{\alpha}^{\gamma} h dx = 0 と書けます。
L = \gamma-\alpha、\beta = \alpha+\lambda L と置いて計算すると \displaystyle\int_{\alpha}^{\gamma} h dx = \dfrac{L^4(2\lambda-1)}{12} となります。
L \ne 0 ですから、これが 0 になるのは \lambda = \dfrac{1}{2} のときだけです。\beta が \alpha と \gamma の中点である、というのが求める条件です。
x^3-(1+m)x+(ms-t) には x^2 の項がありません。だから 3 解の和は \alpha+\beta+\gamma = 0 です。
\beta が中点なら \beta = \dfrac{\alpha+\gamma}{2} = \dfrac{-\beta}{2} ですから \beta = 0 です。真ん中の交点は原点に決まります。
つまり直線は原点を通ります。y = mx と y = x^3-x の交点は x(x^2-(1+m)) = 0 で、3 点になるのは m > -1 のときです。
そのとき交点は -\sqrt{1+m}, 0, \sqrt{1+m} で、真ん中はちょうど中点です。面積が等しい直線は、原点を通り傾きが -1 より大きいものに限ります。
\mathrm{P}\,(s,\,t) が (ii) を満たすのは、\mathrm{P} がそういう直線の上にあるときです。
s \ne 0 なら通る直線の傾きは \dfrac{t}{s} に決まります。条件は \dfrac{t}{s} > -1、両辺に s^2 を掛けて s(s+t) > 0 です。
s = 0 で t \ne 0 の点は、原点を通る直線 y = mx には乗りません。縦の直線は C と 1 点でしか交わらないので、これも使えません。
原点自身は y = 0 に乗り、交点 -1, 0, 1 で面積も等しくなります。答えは x(x+y) > 0 の部分、つまり 2 直線 x = 0 と y = -x が作る向かい合う 2 つの領域の内部に、原点を足したものです。