実数 a,b は -1 < a < 1,-1 < b < 1 を満たす。座標空間内に 4 点 \mathrm{A}(a,\ -1,\ -1),\mathrm{B}(-1,\ b,\ -1),\mathrm{C}(-a,\ 1,\ 1),\mathrm{D}(1,\ -b,\ 1) をとる。
(1) \mathrm{A},\mathrm{B},\mathrm{C},\mathrm{D} がひし形の頂点となるとき,a と b の関係を表す等式を求めよ。
(2) a,b が (1) の等式を満たすとき,\mathrm{A},\mathrm{B},\mathrm{C},\mathrm{D} を頂点とする四角形の面積の最小値を求めよ。
\mathrm{C}(-a,\ 1,\ 1) は \mathrm{A}(a,\ -1,\ -1) の座標の符号をすべて変えた点で、\mathrm{D} と \mathrm{B} も同じ関係にあります。\vec{\mathrm{OC}} = -\vec{\mathrm{OA}}、\vec{\mathrm{OD}} = -\vec{\mathrm{OB}} だから、線分 \mathrm{AC} と \mathrm{BD} の中点はどちらも原点 \mathrm{O} になる。
\vec{\mathrm{OA}} と \vec{\mathrm{OB}} が平行になるのは a = b = -1 のときだけで、条件の範囲では起こりません。2 本の対角線が互いの中点で交わるため、4 点は a、b によらず平行四辺形 \mathrm{ABCD} の頂点になる。
どの点も 3 つの座標のうち 2 つが \pm 1 なので、-1 \leqq x \leqq 1、-1 \leqq y \leqq 1、-1 \leqq z \leqq 1 の立方体の辺の上にある。図はその立方体と平行四辺形を、a と b を変えながら描いたもの。
平行四辺形がひし形になるのは、2 本の対角線が直交するときです。対角線 \mathrm{AC}、\mathrm{BD} の向きは \vec{\mathrm{OA}}、\vec{\mathrm{OB}} と同じだから、条件は \vec{\mathrm{OA}} \cdot \vec{\mathrm{OB}} = 0 と書ける。
\vec{\mathrm{OA}} \cdot \vec{\mathrm{OB}} = a \cdot (-1)+(-1) \cdot b+(-1) \cdot (-1) = 1-a-b で、(1) の答えは a+b = 1 です。
図は、平行四辺形がのっている平面に垂直な向きから見たもの。a+b = 1 を満たさない組と満たす組を交互に並べてあり、満たす組のときだけ対角線が直角に交わる。
ひし形の面積は対角線の長さの積の半分です。\mathrm{AC} = 2\mathrm{OA}、\mathrm{BD} = 2\mathrm{OB} で、\mathrm{OA}^2 = a^2+2、\mathrm{OB}^2 = b^2+2 だから、面積は 2\sqrt{(a^2+2)(b^2+2)} になる。
根号の中を展開すると a^2b^2+2(a^2+b^2)+4。a+b = 1 から a^2+b^2 = 1-2ab で、(ab)^2-4ab+6 = (ab-2)^2+2 と ab だけの式になります。
a+b = 1 と -1 < b < 1 から 0 < a < 1 で、ab = a(1-a) = \dfrac{1}{4}-\left(a-\dfrac{1}{2}\right)^2 は 0 < ab \leqq \dfrac{1}{4} の範囲を動く。(ab-2)^2+2 は ab が 2 に近いほど小さいため、最小になるのは ab = \dfrac{1}{4} のときで、値は \dfrac{49}{16}+2 = \dfrac{81}{16} です。
このとき a = b = \dfrac{1}{2} で、面積の最小値は 2 \cdot \dfrac{9}{4} = \dfrac{9}{2}。\mathrm{OA} = \mathrm{OB} = \dfrac{3}{2} となり、ひし形は対角線の長さが 3 の正方形になっている。