座標平面において,y = x-x^3 で表される曲線を C とする。実数 s に対して,C 上の点 (s,\ s-s^3) における C の接線を l_s で表す。t を 0 < t < 1 をみたす実数とするとき,l_0 と l_1 の交点を \mathrm{P}, l_0 と l_t の交点を \mathrm{Q}, l_1 と l_t の交点を \mathrm{R} とし,三角形 \mathrm{PQR} の面積を S(t) とする。
(1) S(t) を t の式で表せ。
(2) 実数 t が 0 < t < 1 の範囲を動くとき,S(t) を最大にする t の値と,S(t) の最大値を求めよ。
y = x-x^3 を微分すると y' = 1-3x^2 です。点 (s,\ s-s^3) での接線は y = (1-3s^2)(x-s) + s-s^3 となります。
右辺を展開すると、定数の部分は -s+3s^3+s-s^3 = 2s^3 です。s が打ち消し合って、l_s : y = (1-3s^2)x + 2s^3 という短い形になります。
この 1 本の式に s = 0,\ 1,\ t を入れれば、必要な 3 本がそのまま出ます。l_0 : y = x、l_1 : y = -2x+2、l_t : y = (1-3t^2)x + 2t^3 です。
l_0 が原点を通る傾き 1 の直線であることは、あとで効いてきます。
\mathrm{P} は l_0 と l_1 の交点です。x = -2x+2 から x = \dfrac{2}{3} となり、\mathrm{P}\left(\dfrac{2}{3},\ \dfrac{2}{3}\right) です。t に関係なく動きません。
\mathrm{Q} は l_0 と l_t の交点です。x = (1-3t^2)x + 2t^3 を整理すると 3t^2x = 2t^3 で、0 < t ですから x = \dfrac{2t}{3}、つまり \mathrm{Q}\left(\dfrac{2t}{3},\ \dfrac{2t}{3}\right) です。
\mathrm{R} は l_1 と l_t の交点です。-2x+2 = (1-3t^2)x+2t^3 から (3-3t^2)x = 2-2t^3 となり、1-t で約せて x = \dfrac{2(1+t+t^2)}{3(1+t)} です。y は l_1 に戻して y = \dfrac{2(1+2t)(1-t)}{3(1+t)} となります。
ここで大事なのは \mathrm{P} と \mathrm{Q} が、どちらも l_0 すなわち直線 y = x の上にあることです。三角形の 1 辺がこの直線に乗っているので、面積は底辺と高さで測れます。
\mathrm{P} と \mathrm{Q} は y = x の上で x 座標が \dfrac{2}{3} と \dfrac{2t}{3} ですから、\mathrm{PQ} = \sqrt{2} \cdot \dfrac{2(1-t)}{3} です。0 < t < 1 なので絶対値は外れます。
高さは \mathrm{R} から直線 x-y = 0 までの距離で、\dfrac{|x_\mathrm{R} - y_\mathrm{R}|}{\sqrt{2}} です。\sqrt{2} が底辺と高さで打ち消し合うので、根号は残りません。
x_\mathrm{R} - y_\mathrm{R} = \dfrac{2\{(1+t+t^2)-(1+t-2t^2)\}}{3(1+t)} = \dfrac{2t^2}{1+t} です。(1+2t)(1-t) = 1+t-2t^2 を使って、t の 1 次の項が消えました。
かけ合わせると S(t) = \dfrac{1}{2} \cdot \dfrac{2\sqrt{2}(1-t)}{3} \cdot \dfrac{1}{\sqrt{2}} \cdot \dfrac{2t^2}{1+t} = \dfrac{2t^2(1-t)}{3(1+t)} となります。t \to 0 でも t \to 1 でも 0 に近づく形をしています。
S(t) = \dfrac{2}{3} \cdot \dfrac{t^2-t^3}{1+t} を微分します。分子は (2t-3t^2)(1+t)-(t^2-t^3) = 2t-2t^2-2t^3 となり、S'(t) = \dfrac{4t(1-t-t^2)}{3(1+t)^2} です。
0 < t < 1 では 4t も 3(1+t)^2 も正ですから、符号を決めるのは 1-t-t^2 だけです。t^2+t-1 = 0 の正の解は t = \dfrac{\sqrt{5}-1}{2} で、これは 0 < t < 1 をみたします。
この前では増え、後では減るので、そこが最大です。値を出すときは t^2 = 1-t を使うと楽になります。S(t) = \dfrac{2t^2(1-t)}{3(1+t)} = \dfrac{2(1-t)^2}{3(1+t)} と書き直せて、(1-t)^2 = 1-2t+t^2 = 2-3t です。
よって最大値は \dfrac{2(2-3t)}{3(1+t)} で、t = \dfrac{\sqrt{5}-1}{2} を入れると \dfrac{2(7-3\sqrt{5})}{3(1+\sqrt{5})} = \dfrac{5\sqrt{5}-11}{3} となります。およそ 0.060 です。t が 0 にも 1 にも寄らない、ちょうど中ほどより少し右で、三角形がいちばん広がります。