a を実数とし,複素数 z に対して,f(z) = \dfrac{(1-ai)z + (1+ai)\bar{z}}{2} とする。ただし,i は虚数単位,\bar{z} は z と共役な複素数である。
(1) f(z) は実数であることを示せ。
(2) 実数 a に対して,|z| = 1 かつ f(z)\{f(z)-f(i)-2\} = -2f(i) となるような複素数 z の個数を N(a) とする。N(a) を求めよ。
a が実数なので、1-ai の共役は 1+ai です。すると (1-ai)z の共役は (1+ai)\bar{z} ですから、f(z) の分子はある複素数とその共役を足したものです。
複素数とその共役の和は実部の 2 倍で、いつでも実数です。それを 2 で割った f(z) も実数になります。(1) はこれで終わりです。
ただし (2) へ進むには、値そのものが要ります。z = x+yi(x, y は実数)とおいて計算します。(1-ai)(x+yi) = x+ay + (y-ax)i、(1+ai)(x-yi) = x+ay + (ax-y)i です。
虚部が打ち消し合って和は 2(x+ay) となり、f(x+yi) = x+ay です。実数であることがここでも見えますし、f が xy 平面の上の 1 次式だと分かりました。
f(i) は x = 0, y = 1 の場合ですから f(i) = a です。
w = f(z) とおくと、条件は w(w-a-2) = -2a、つまり w^2 - (a+2)w + 2a = 0 です。w は実数なので、これはふつうの 2 次方程式です。
左辺は (w-a)(w-2) と因数分解できます。和が a+2、積が 2a ですから、a と 2 が根です。よって w = a または w = 2 です。
w = x+ay ですから、求めるのは単位円 x^2+y^2 = 1 の上で x+ay = a または x+ay = 2 をみたす点の個数になります。どちらの式も xy 平面の直線です。
x+ay = a と x+ay = 2 は、左辺が同じですから平行です。原点からの距離は、順に \dfrac{|a|}{\sqrt{1+a^2}} と \dfrac{2}{\sqrt{1+a^2}} です。
1 本目は a^2 < 1+a^2 より、距離がいつでも 1 より小さくなります。a が何であっても単位円と 2 点で交わります。f(i) = a ですから z = i がそのうちの 1 つで、これは条件の作られ方からして当然です。
2 本目は \dfrac{2}{\sqrt{1+a^2}} と 1 の比較で、4 と 1+a^2 の比較、つまり a^2 と 3 の比較になります。a^2 > 3 なら 2 点、a^2 = 3 なら接して 1 点、a^2 < 3 なら共有点なしです。
平行な 2 直線は、重ならないかぎり共有点を持ちません。ですから、ふつうは 2 本の交点を足すだけで済みます。
x+ay = a と x+ay = 2 が同じ直線になるのは a = 2 のときだけです。このとき w = a と w = 2 が同じ条件なので、2 次方程式が重解を持ち、点は 2 個しかありません。
a = 2 は a^2 = 4 > 3 の側にあるので、うっかりすると 4 個と数えてしまいます。数える前に、2 つの根が別のものかどうかを見ておく必要があります。
まとめると、|a| < \sqrt{3} のとき N(a) = 2、|a| = \sqrt{3} のとき N(a) = 3、|a| > \sqrt{3} かつ a \neq 2 のとき N(a) = 4、a = 2 のとき N(a) = 2 です。
a を -\infty から動かしていくと、4 個が -\sqrt{3} で 3 個になり、そこから \sqrt{3} までは 2 個、また 3 個を経て 4 個に戻り、a = 2 でそこだけ 2 個に落ちます。