平面において,次の条件 (*) を満たす正三角形の 1 辺の長さの最小値を求めよ。
(*) 1 辺の長さが 1 の正方形であって,4 つの頂点がすべてその正三角形の内部または辺上にあるようなものが存在する。
正方形の 1 辺を、正三角形の底辺に重ねて置きます。正三角形の 1 辺を L とすると、残りの 2 辺は底辺と 60^\circ をなすため、高さ 1 のところの横幅は L から左右それぞれ \dfrac{1}{\tan 60^\circ} = \dfrac{1}{\sqrt{3}} ずつ減った L-\dfrac{2}{\sqrt{3}} です。
正方形の上の 2 頂点が入る条件は L-\dfrac{2}{\sqrt{3}} \geqq 1 で、L = 1+\dfrac{2}{\sqrt{3}} = 1+\dfrac{2\sqrt{3}}{3} のとき 2 頂点が左右の辺にちょうど乗る。
これより小さい正三角形に入るかどうかは、正方形を傾けた置き方と比べて決めます。
1 辺 L の正三角形の内部に点 \mathrm{G} をとり、3 辺までの距離を d_1、d_2、d_3 とします。\mathrm{G} と各辺で 3 つの三角形に分けると、面積の合計は \dfrac{1}{2}L(d_1+d_2+d_3) です。
これが正三角形の面積 \dfrac{\sqrt{3}}{4}L^2 に等しいから、d_1+d_2+d_3 = \dfrac{\sqrt{3}}{2}L となる。和は \mathrm{G} の位置によらず、正三角形の高さに等しい。
\mathrm{G} を正方形の中心にとります。4 頂点が正三角形の中にあるなら、各辺までの距離 d_i は、その辺に垂直な向きで測った \mathrm{G} から正方形の頂点までの長さの最大値 h_i 以上です。
正方形の辺が底辺となす角を \theta とします。正方形は 90^\circ、正三角形は 120^\circ 回すと元と重なるので、同じ状況が 30^\circ ごとにくり返され、0^\circ \leqq \theta \leqq 30^\circ を調べれば足りる。
ある向きと正方形の辺のなす角を \alpha(0^\circ \leqq \alpha \leqq 90^\circ)とすると、中心から見てその向きに正方形がのびる長さは \dfrac{\cos\alpha+\sin\alpha}{2} です。3 辺に垂直な向きでは、\alpha が \theta、30^\circ-\theta、30^\circ+\theta になります。
\cos(30^\circ-\theta)+\cos(30^\circ+\theta) = \sqrt{3}\cos\theta、\sin(30^\circ-\theta)+\sin(30^\circ+\theta) = \cos\theta を使って 3 つを足すと、h_1+h_2+h_3 = \dfrac{\sin\theta+(2+\sqrt{3})\cos\theta}{2} にまとまる。
\tan 15^\circ = 2-\sqrt{3} を使って合成すると、\sin\theta+(2+\sqrt{3})\cos\theta = (\sqrt{6}+\sqrt{2})\cos(\theta-15^\circ) です。0^\circ \leqq \theta \leqq 30^\circ では |\theta-15^\circ| \leqq 15^\circ なので、値は (\sqrt{6}+\sqrt{2})\cos 15^\circ = 2+\sqrt{3} 以上になる。
\dfrac{\sqrt{3}}{2}L = d_1+d_2+d_3 \geqq \dfrac{2+\sqrt{3}}{2} から、L \geqq \dfrac{2+\sqrt{3}}{\sqrt{3}} = 1+\dfrac{2\sqrt{3}}{3} です。
等号は \theta = 0^\circ か 30^\circ で、正方形が 3 辺すべてに触れるときに成り立ちます。\theta = 0^\circ は底辺に正方形をのせた置き方、\theta = 30^\circ は右の辺に正方形の辺を重ねた同じ形で、最小値は 1+\dfrac{2\sqrt{3}}{3} となる。