n 個の異なる色を用意する。立方体の各面にいずれかの色を塗る。各面にどの色を塗るかは同様に確からしいとする。辺を共有するどの二つの面にも異なる色が塗られる確率を p_n とする。次の問いに答えよ。
(1) p_4 を求めよ。
(2) \displaystyle\lim_{n \to \infty} p_n を求めよ。
立方体の面は 6 つです。どの面も 4 つの面と辺を共有し、向かい合う 1 面とだけ共有しません。
そこで 6 面を、向かい合う 2 面ずつ 3 組に分けます。組をまたいだ 2 面はかならず辺を共有し、同じ組の 2 面はけっして共有しません。
つまり条件は「3 組のあいだで色が 1 つも重ならない」ことと同じです。同じ組の中は、同じ色でも違う色でもかまいません。
数えるのは立方体の塗り方ではなく、3 組への色の配り方になりました。
2 色を使う組は、それだけで 2 色を占めます。組どうしで色が重ならないので、2 色使う組が t 組あれば、全部で 3+t 色を使うことになります。
色は 4 色しかないので 3+t \leqq 4、つまり t は 0 か 1 です。
t = 0 のときはどの組も 1 色で、3 組へ異なる色を配るので 4 \cdot 3 \cdot 2 = 24 通りです。
t = 1 のときは 2 色使う組の選び方が 3 通り、色の置き方が 4 \cdot 3 \cdot 2 \cdot 1 = 24 通りで、合わせて 72 通りです。
足すと 96 通り。塗り方は全部で 4^6 = 4096 通りですから、p_4 = \dfrac{96}{4096} = \dfrac{3}{128} です。
2 色使う組が t 組のとき、使う色は 3+t 色で、どれも異なります。置く場所は決まっているので、色の置き方は n(n-1)\cdots(n-2-t) 通りです。
組の選び方 _3\mathrm{C}_t を掛けて t = 0,\, 1,\, 2,\, 3 を足すと、n(n-1)(n-2) でくくれます。
残った角括弧の中は u = n-3 とおくと 1+3u+3u(u-1)+u(u-1)(u-2) = u^3+2u+1 です。
u を戻すと n^3-9n^2+29n-32 となり、p_n = \dfrac{n(n-1)(n-2)(n^3-9n^2+29n-32)}{n^6} です。n = 4 を入れると \dfrac{24 \cdot 4}{4096} = \dfrac{3}{128} で、さきほどと合います。
分子は n の 6 次式で、最高次の係数は 1 です。分母も n^6 ですから、比は 1 へ近づきます。
式を出さずに済ませることもできます。6 面すべてを異なる色で塗れば条件は自動的に満たされるので、p_n \geqq \dfrac{n(n-1)\cdots(n-5)}{n^6} です。
右辺は \left(1-\dfrac{1}{n}\right)\left(1-\dfrac{2}{n}\right)\cdots\left(1-\dfrac{5}{n}\right) で、n \to \infty で 1 に近づきます。
p_n \leqq 1 と合わせ、はさみうちの原理から \displaystyle\lim_{n \to \infty} p_n = 1 です。色が増えれば隣が同じ色になるほうが珍しくなる、という当たり前のことを式が言っています。