\mathrm{O} を原点とする座標平面上で考える。座標平面上の 2 点 \mathrm{S}\,(x_1,\,y_1), \mathrm{T}\,(x_2,\,y_2) に対し,点 \mathrm{S} が点 \mathrm{T} から十分離れているとは,
|x_1-x_2| \geqq 1 または |y_1-y_2| \geqq 1
が成り立つことと定義する。
不等式 0 \leqq x \leqq 3, 0 \leqq y \leqq 3 が表す正方形の領域を D とし,その 2 つの頂点 \mathrm{A}\,(3,\,0), \mathrm{B}\,(3,\,3) を考える。さらに,次の条件 (i), (ii) をともに満たす点 \mathrm{P} をとる。
(i) 点 \mathrm{P} は領域 D の点であり,かつ,放物線 y = x^2 上にある。
(ii) 点 \mathrm{P} は,3 点 \mathrm{O}, \mathrm{A}, \mathrm{B} のいずれからも十分離れている。
点 \mathrm{P} の x 座標を a とする。
(1) a のとりうる値の範囲を求めよ。
(2) 次の条件 (iii), (iv) をともに満たす点 \mathrm{Q} が存在しうる範囲の面積 f(a) を求めよ。
(iii) 点 \mathrm{Q} は領域 D の点である。
(iv) 点 \mathrm{Q} は,4 点 \mathrm{O}, \mathrm{A}, \mathrm{B}, \mathrm{P} のいずれからも十分離れている。
(3) a は (1) で求めた範囲を動くとする。(2) の f(a) を最小にする a の値を求めよ。
「十分離れている」の否定を見ます。|x_1-x_2| < 1 かつ |y_1-y_2| < 1、つまり相手が自分を中心とする 1 辺 2 の正方形の内側にいる、ということです。
ですから点のまわりには、他の点を置けない正方形の穴が開きます。\mathrm{Q} の動ける範囲は、D から穴を取り除いた残りです。
\mathrm{O}, \mathrm{A}, \mathrm{B} は D の角にあるので、穴は角に 1 辺 1 の正方形として現れます。面積はそれぞれ 1 です。
この 3 つの穴はたがいに離れていて重なりません。動くのは \mathrm{P} の穴だけで、それがどこと重なるかで面積が決まります。
\mathrm{P}\,(a,\,a^2) が D にあるので 0 \leqq a \leqq 3 かつ a^2 \leqq 3、つまり a \leqq \sqrt{3} です。
\mathrm{O} から十分離れている条件は a \geqq 1 または a^2 \geqq 1 です。a \geqq 0 ではどちらも a \geqq 1 と同じことですから、これが効きます。
\mathrm{A}\,(3,\,0) と \mathrm{B}\,(3,\,3) については、横の差が |a-3| \geqq 1、つまり a \leqq 2 であれば足ります。a \leqq \sqrt{3} < 2 ですから、こちらは自動的に成り立ちます。
よって (1) の答えは 1 \leqq a \leqq \sqrt{3} です。\mathrm{P} は放物線の上を、(1,\,1) から (\sqrt{3},\,3) まで動きます。
\mathrm{P} の穴は a-1 < x < a+1、a^2-1 < y < a^2+1 です。横は a-1 \geqq 0 かつ a+1 \leqq \sqrt{3}+1 < 3 で D に収まり、幅は 2 です。
縦は a^2+1 が 3 を超えると D の外へはみ出して切れます。切れるのは a > \sqrt{2} のときで、高さは 4-a^2 になります。
\mathrm{O} の穴との重なりは、横が 1-(a-1) = 2-a、縦が 1-(a^2-1) = 2-a^2 です。縦は a > \sqrt{2} で 0 になり、重なりが消えます。
\mathrm{A} の穴とは横が a-1、縦は同じく 2-a^2。\mathrm{B} の穴とは横が a-1、縦は a^2-1 で、a > \sqrt{2} では 1 で頭打ちです。
1 \leqq a \leqq \sqrt{2} のとき。穴の和は 3+4-\{(2-a)(2-a^2)+(a-1)(2-a^2)+(a-1)(a^2-1)\} です。
前の 2 つは 2-a^2 でくくれて、(2-a)+(a-1) = 1 ですから 2-a^2 に縮みます。整理すると和は -a^3+2a^2+a+4 で、f(a) = 9-(-a^3+2a^2+a+4) = a^3-2a^2-a+5 です。
\sqrt{2} \leqq a \leqq \sqrt{3} のとき。\mathrm{P} の穴は縦が 4-a^2 に切れ、\mathrm{O} と \mathrm{A} の穴からは離れます。残る重なりは \mathrm{B} との a-1 だけです。
和は 3+2(4-a^2)-(a-1) = 12-2a^2-a で、f(a) = 2a^2+a-3 です。a = \sqrt{2} ではどちらの式も 1+\sqrt{2} になり、つながっています。
前半の f(a) = a^3-2a^2-a+5 を微分すると 3a^2-4a-1 です。a = \sqrt{2} でも 6-4\sqrt{2}-1 = 5-4\sqrt{2} < 0 ですから、1 \leqq a \leqq \sqrt{2} ではずっと減ります。
後半の f(a) = 2a^2+a-3 を微分すると 4a+1 で、こちらは正ですから増える一方です。
つまり f は a = \sqrt{2} まで減って、そこから増えます。最小にする a は \sqrt{2} です。
そのときの値は 2 \cdot 2+\sqrt{2}-3 = 1+\sqrt{2} = 2.414\cdots です。\mathrm{P} の穴の上端がちょうど D の上辺に届く位置で、いちばん広く隠せます。