座標平面上の点 \mathrm{A}\,(0,0), \mathrm{B}\,(0,1), \mathrm{C}\,(1,1), \mathrm{D}\,(1,0) を考える。実数 0 < t < 1 に対して,線分 \mathrm{AB}, \mathrm{BC}, \mathrm{CD} を t : (1-t) に内分する点をそれぞれ \mathrm{P}_t, \mathrm{Q}_t, \mathrm{R}_t とし,線分 \mathrm{P}_t\mathrm{Q}_t, \mathrm{Q}_t\mathrm{R}_t を t : (1-t) に内分する点をそれぞれ \mathrm{S}_t, \mathrm{T}_t とする。さらに,線分 \mathrm{S}_t\mathrm{T}_t を t : (1-t) に内分する点を \mathrm{U}_t とする。また,点 \mathrm{A} を \mathrm{U}_0,点 \mathrm{D} を \mathrm{U}_1 とする。
(1) 点 \mathrm{U}_t の座標を求めよ。
(2) t が 0 \leqq t \leqq 1 の範囲を動くときに点 \mathrm{U}_t が描く曲線と,線分 \mathrm{AD} で囲まれた部分の面積を求めよ。
(3) a を 0 < a < 1 を満たす実数とする。t が 0 \leqq t \leqq a の範囲を動くときに点 \mathrm{U}_t が描く曲線の長さを,a の多項式の形で求めよ。
\mathrm{A}, \mathrm{B}, \mathrm{C}, \mathrm{D} は正方形の 4 つの頂点です。同じ比 t : (1-t) で内分する操作を、3 段くり返します。
1 段目は 3 本の辺から \mathrm{P}_t, \mathrm{Q}_t, \mathrm{R}_t の 3 点。2 段目はそれを結んだ 2 本の線分から \mathrm{S}_t, \mathrm{T}_t の 2 点。3 段目はその 1 本から \mathrm{U}_t の 1 点です。段ごとに点が 1 つずつ減っていきます。
図の t を動かしてみてください。最後に残った \mathrm{U}_t が、滑らかな曲線を描きます。
t = 0 では 3 段とも一方の端に寄って \mathrm{A}、t = 1 では反対の端に寄って \mathrm{D} になります。問題文が \mathrm{U}_0, \mathrm{U}_1 をそう定めているのは、この続きだからです。
内分点の座標は、端の座標を t : (1-t) で混ぜたものです。1 段目は、\mathrm{P}_t = (0,\ t)、\mathrm{Q}_t = (t,\ 1)、\mathrm{R}_t = (1,\ 1-t) となります。
2 段目は、その 3 点を同じ比で内分します。\mathrm{S}_t = (t^2,\ 2t-t^2)、\mathrm{T}_t = (2t-t^2,\ 1-t^2) です。
3 段目で \mathrm{U}_t = (3t^2-2t^3,\ 3t-3t^2) が出ます。これが (1) の答えです。
t = 0 を入れると (0,\ 0)、t = 1 を入れると (1,\ 0) です。問題文の定めた \mathrm{U}_0 = \mathrm{A}、\mathrm{U}_1 = \mathrm{D} と、そのままつながります。
y = 3t-3t^2 = 3t(1-t) は 0 \leqq t \leqq 1 で 0 以上です。\dfrac{dx}{dt} = 6t-6t^2 = 6t(1-t) も 0 以上ですから、点は左から右へ、x 軸より上を進みます。
囲まれた部分の面積は \displaystyle\int_0^1 y \dfrac{dx}{dt} dt です。中身は 3t(1-t) \cdot 6t(1-t) = 18t^2(1-t)^2 となり、t と 1-t が同じ形でそろいます。
展開して \displaystyle\int_0^1 (t^2-2t^3+t^4) dt = \dfrac{1}{3}-\dfrac{1}{2}+\dfrac{1}{5} = \dfrac{1}{30} です。
よって面積は 18 \times \dfrac{1}{30} = \dfrac{3}{5} となります。
曲線の長さは \displaystyle\int_0^a \sqrt{\left(\dfrac{dx}{dt}\right)^2 + \left(\dfrac{dy}{dt}\right)^2} dt です。ふつうはこの根号が外れず、多項式にはなりません。中身を見ます。
\dfrac{dx}{dt} = 6t(1-t)、\dfrac{dy}{dt} = 3(1-2t) ですから、根号の中は 9\left\{4(t-t^2)^2 + (1-2t)^2\right\} です。
u = t-t^2 と置くと (1-2t)^2 = 1-4t+4t^2 = 1-4u ですから、中括弧の中は 4u^2-4u+1 = (2u-1)^2 になります。平方でした。
0 \leqq t \leqq 1 では u = t(1-t) \leqq \dfrac{1}{4} なので 2u-1 < 0 です。根号を外すと 3(1-2u) = 3(2t^2-2t+1) となります。
あとは積分するだけです。\displaystyle\int_0^a 3(2t^2-2t+1) dt = 3\left[\dfrac{2}{3}t^3-t^2+t\right]_0^a となります。
計算すると 2a^3-3a^2+3a です。問題文の言う「a の多項式の形」で出ました。
a = 1 を入れると 2 です。曲線の全長は、正方形の 1 辺のちょうど 2 倍ということになります。
長さが多項式で書けたのは、速さの根号がきれいに外れたからです。同じ比で 3 段たどるという作り方が、そこまで効いています。