4 本のひもがある。8 つある端から 2 つずつ無作為に選び 4 つの組に分け,同じ組に属する端どうしを結ぶ。こうしてできる輪の数を N とする。ただし,輪とは 1 つあるいは複数のひもが結ばれて,ひとつながりになったものをいう。たとえば右図のとき,1 つのひもからなる輪が 2 つと,2 つのひもからなる輪が 1 つできている。この図では 2 つの輪がからまっているが,N = 3 と数える。
(1) N = 4 となる確率を求めよ。
(2) N = 1 となる確率を求めよ。
(3) N の期待値を求めよ。
問題文の図では、左の輪と右の小さい輪が 1 本のひもの両端を結んだもの、大きい輪が 2 本のひもを 2 か所で結んだものです。右の 2 つはからまっているが、数えるのはつながり方だけで、N = 3 となる。
8 つの端を 2 つずつ 4 組に分ける分け方は、ある端の相手の選び方が 7 通り、残った端の 1 つの相手が 5 通り、次が 3 通り、最後が 1 通りで、7 \cdot 5 \cdot 3 \cdot 1 = 105 通りです。どれも同様に確からしい。
(1) の N = 4 は、4 本とも自分の両端どうしが組になるときで、105 通りのうち 1 通りしかない。確率は \dfrac{1}{105} です。
組を 1 つずつ決めていきます。まだ組になっていない端から 1 つを選び、その相手を残りから等しい確率で選ぶ。4 回くり返すと、105 通りの分け方がどれも \dfrac{1}{7} \cdot \dfrac{1}{5} \cdot \dfrac{1}{3} = \dfrac{1}{105} の確率で起こり、はじめの分け方と同じになります。
途中では、結んだひもどうしがつながり、両端の空いたひもが k 本あるとみなせる。空いた端は 2k 個で、選んだ端の相手は残りの 2k-1 個のどれかです。
相手が同じひもの反対の端なら輪が 1 つ閉じ、ほかの端なら 2 本がつながって 1 本になる。どちらでも本数は 1 減るため、k は 4、3、2、1 と進み、各段で輪が閉じる確率は、それまでの結び方によらず \dfrac{1}{7}、\dfrac{1}{5}、\dfrac{1}{3}、1 です。
N = 1 は、はじめの 3 段でどれも輪が閉じないときです。最後の段では空いた端が 2 個しかなく、必ず閉じる。
確率は \dfrac{6}{7} \cdot \dfrac{4}{5} \cdot \dfrac{2}{3} = \dfrac{48}{105} = \dfrac{16}{35} となる。(1) の \dfrac{1}{105} も、4 段とも閉じる確率 \dfrac{1}{7} \cdot \dfrac{1}{5} \cdot \dfrac{1}{3} \cdot 1 として同じ値に決まります。
j 段目で輪が閉じたら 1、閉じなければ 0 をとる確率変数を X_j とすると、N = X_1+X_2+X_3+X_4 です。期待値の和の性質から、E(N) = E(X_1)+E(X_2)+E(X_3)+E(X_4) となる。
E(X_j) は j 段目で閉じる確率そのもので、\dfrac{1}{7}、\dfrac{1}{5}、\dfrac{1}{3}、1 です。足すと E(N) = \dfrac{15+21+35+105}{105} = \dfrac{176}{105} になる。
分布からも確かめられます。はじめの 3 段のうち 1 段だけ閉じる確率は \dfrac{8+12+24}{105} = \dfrac{44}{105}、2 段だけ閉じる確率は \dfrac{2+4+6}{105} = \dfrac{12}{105} で、\dfrac{1 \cdot 48+2 \cdot 44+3 \cdot 12+4 \cdot 1}{105} = \dfrac{176}{105} と一致する。