整数の組 (a,\ b,\ c) に対して,次の条件(*)を考える。
(*) a,b,c は 1 以上の整数であり,a と b の最大公約数,a と c の最大公約数,b と c の最大公約数はそれぞれ 1 である。
以下の問いに答えよ。ただし,組 (a,\ b,\ c) と (d,\ e,\ f) は a = d,b = e,c = f のとき,かつこのときに限り等しい。
(1) 条件(*)かつ abc = 120 をみたす組 (a,\ b,\ c) のうちで,a \leqq b \leqq c をみたすものをすべて求めよ。
(2) N を 2 以上の整数とし,N 以下の素数の個数を m とする。条件(*)かつ abc = N! をみたす組 (a,\ b,\ c) の個数を m を用いて表せ。
(3) N を 2 以上の整数とし,N 以下の素数の個数を m とする。条件(*)かつ abc = N! をみたす組 (a,\ b,\ c) のうちで,a \leqq b \leqq c をみたすものの個数を m を用いて表せ。
a、b、c のどの 2 つも最大公約数が 1 だから、1 つの素数 p で割り切れるのは 3 つのうち多くても 1 つです。abc を素因数分解したときの p の累乗は、a、b、c のうち 1 つにまるごと含まれる。
120 = 2^3 \cdot 3 \cdot 5 なので、8、3、5 の 3 つを a、b、c に割り当てます。何も割り当てられなかった数は 1 になる。
a \leqq b \leqq c に並べると、3 つを 1 か所にまとめた (1,\ 1,\ 120)、2 つと 1 つに分けた (1,\ 3,\ 40)、(1,\ 5,\ 24)、(1,\ 8,\ 15)、ばらばらにした (3,\ 5,\ 8) の 5 組です。
N! は 1 から N までの積だから、素因数は N 以下の素数 m 個で、それ以外にはありません。N! を p_1^{\,e_1}p_2^{\,e_2}\cdots p_m^{\,e_m} と素因数分解する。
(1) と同じく、p_1^{\,e_1} から p_m^{\,e_m} までのそれぞれを a、b、c のどれか 1 つに割り当てると組が 1 つ決まり、割り当て方が違えば組も違う。割り当ては 1 つにつき 3 通りで、組の個数は 3^m です。
図は N = 6 の例で、6! = 2^4 \cdot 3^2 \cdot 5 の 3 つの累乗の行き先を、27 通り全部について順に切りかえている。
a = b なら a と b の最大公約数は a 自身で、それが 1 だから a = b = 1 です。2 つが等しい組は 1 を 2 つ含む組に限られ、abc = N! \geqq 2 から 3 つとも等しいことはない。
3^m 個の組のうち、(1,\ 1,\ N!) を並べかえた 3 個は、a \leqq b \leqq c にすると 1 組になります。残りの 3^m-3 個は 3 つの数がすべて異なり、並べかえた 6 個ずつが 1 組にまとまる。
求める個数は 1+\dfrac{3^m-3}{6} = \dfrac{3^m+3}{6} です。m = 3 では 5 で、(1) の 120 = 5! で数えた 5 組と一致する。