n は正の整数とする。整数係数の多項式 (x+1)^{2^{n+1}}-(x^2+1)^{2^n} のすべての係数が 2^m で割り切れるような正の整数 m のうち,最大のものは n+1 であることを示せ。ただし,(x+1)^{2^{n+1}} は x+1 の 2^{n+1} 乗を表す。(x^2+1)^{2^n} は x^2+1 の 2^n 乗を表す。2^m は 2 の m 乗を表す。
A = x^2+1 とおくと (x+1)^2 = A+2x です。D_n = (x+1)^{2^{n+1}}-(x^2+1)^{2^n} とおけば、(x+1)^{2^{n+1}} = \{(x+1)^2\}^{2^n} だから D_n = (A+2x)^{2^n}-A^{2^n} と書ける。
n = 1 なら D_1 = (A+2x)^2-A^2 = 4xA+4x^2 で、4x(x^2+1)+4x^2 = 4(x^3+x^2+x) です。すべての係数が 4 = 2^2 で割り切れ、x の係数 4 は 8 で割り切れない。
n = 2 では D_2 = 8x^7+24x^6+56x^5+64x^4+56x^3+24x^2+8x で、係数はすべて 8 の倍数です。x の係数はここでも 2^3 = 8 ちょうどになる。
D_{n+1} は 2 乗の差の形をしていて、D_{n+1} = \{(x+1)^{2^{n+1}}\}^2-\{(x^2+1)^{2^n}\}^2 です。因数分解すると D_{n+1} = D_n\{(x+1)^{2^{n+1}}+(x^2+1)^{2^n}\} となる。
右の因数は、(x+1)^{2^{n+1}} = D_n+(x^2+1)^{2^n} を使うと D_n+2(x^2+1)^{2^n} に書きかえられます。
D_n の係数がすべて 2^{n+1} で割り切れるとして、D_n = 2^{n+1}R_n(R_n は整数係数)と書きます。右の因数は 2\{2^nR_n+(x^2+1)^{2^n}\} で、2 でくくれる。
かけ合わせると D_{n+1} = 2^{n+2}R_n\{2^nR_n+(x^2+1)^{2^n}\} です。R_n も中かっこの中も整数係数だから、D_{n+1} の係数はすべて 2^{n+2} で割り切れる。
n = 1 で成り立つことは D_1 = 4(x^3+x^2+x) で確かめてあります。数学的帰納法により、すべての正の整数 n で D_n の係数は 2^{n+1} で割り切れる。
だから m = n+1 は条件をみたします。残るのは、2^{n+2} で割り切れない係数が 1 つあることです。
(x^2+1)^{2^n} には x の偶数乗しか現れず、x の項がありません。D_n の x の係数は、(x+1)^{2^{n+1}} の x の係数 _{2^{n+1}}\mathrm{C}_1 = 2^{n+1} そのものです。
2^{n+1} は 2^{n+2} で割り切れないため、m = n+2 では条件が崩れる。m がもっと大きくても 2^m は 2^{n+2} の倍数で、やはり割り切れません。
条件をみたす正の整数 m のうち、最大のものは n+1 となる。