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一様連続性とは|定義・判定法・例と反例・応用

一様連続性は連続性を強めた概念で、 に対して取る が点の場所によらない、という性質です。

連続性は「各点のまわりでの話」を集めたものですが、一様連続性は定義域全体に対して 1 つの を要求します。この差が、積分可能性や関数の拡張といった大域的な議論を支えます。

以下では定義の読み方から始め、一様連続な例と一様連続でない例を数多く並べ、ハイネ・カントールの定理、拡張定理、連続率、そして応用までを扱います。要になる主張には証明を付けます。

直観:幅 の帯を滑らせる

横幅が の長方形を用意して、グラフに沿って左から右へ滑らせてみます。長方形の縦の高さを、その区間で関数が動く幅にそろえておきます。

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では、右へ行くほど長方形が高くなります。どんなに幅を細くしても、十分右へ行けば高さが伸びてしまいます。

では、いちばん高くなるのが左端で、その高さも で止まります。場所によらず 1 つの でまかなえる、というのが一様連続性です。

連続性の復習

が点 で連続であるとは、次が成り立つことでした。

ここで の両方に依存してかまいません。点ごとに別の を選んでよい、というのが各点連続です。

が集合 で連続であるとは、 の各点で連続であることをいいます。あくまで点ごとの条件を集めたものです。

一様連続性の定義

が集合 で一様連続であるとは、次が成り立つことをいいます。

だけに依存し、点の選び方によりません。この 1 点が連続性との違いのすべてです。

一様連続ならば各点連続です。 を固定して と読み替えれば、そのまま連続性の条件になるからです。

論理式のどこが違うのか

2 つの定義を並べると、違いは量化子の順序だけだとわかります。

各点連続

の順。 を選ぶときに を見てよい

一様連続

の順。 を選ぶ時点で場所を知らない

各点連続では の外にあるので、 に依存できます。一様連続では が外にあるので、依存できません。

を入れ替えると意味が変わる、という論理の一般則が、そのまま数学の概念の差になっている例です。

一様連続でないことの否定形

否定を取ると、次のようになります。

言葉にすると、ある が悪さをしていて、どんなに を小さくしても、距離が 未満なのに値が 以上離れている 2 点が見つかる、ということです。

否定形を書き下してから反例を探すのが確実です。 を先に決めてしまえるのが、この形の使いやすいところになります。

列による判定法

否定形は列の言葉に直せます。実際の判定ではこちらのほうが速いです。

で一様連続でないことは、 の 2 つの列 で次の 2 つを同時にみたすものが存在することと同値です。

距離は縮むのに値は離れたまま、という 2 列を 1 組見つければ反例になります。

裏返せば、 をみたすどんな 2 列についても となることが、一様連続性そのものになります。以下の反例は、すべてこの形で 2 つの列を作ります。

計算例:1 次関数

で一様連続です。差を計算しましょう。

とすれば、 のとき になります。

の式に も出てきません。場所を知らなくても を決められた、というのが一様連続性が成り立っている姿です。

計算例:

で一様連続です。加法定理から次の評価が出ます。

途中で を使いました。 で足ります。

平均値の定理を使えばもっと速いです。 となります。

リプシッツ連続なら一様連続

前の 2 例に共通する形を取り出します。定数 があって

がすべての で成り立つとき、 でリプシッツ連続であるといいます。

このとき とすれば一様連続性が出ます。 だけで書けているので、場所によりません。

リプシッツ連続は一様連続よりも真に強い条件です。次の例がそれを示します。

計算例: は一様連続だがリプシッツでない

で考えます。まず次の不等式が成り立ちます。

として両辺を 2 乗すれば 、つまり となり、これは と同じです。

したがって とすれば、 のとき です。この取り方はドイツ語圏の教材で定番として扱われています

一方リプシッツではありません。 とすると で、 のときいくらでも大きくなります。

ヘルダー連続

の評価を一般化した形があります。 と定数 について

が成り立つとき、 は指数 のヘルダー連続であるといいます。

がリプシッツ連続です。 にあたります。

ヘルダー連続ならば一様連続です。 と取れば、やはり場所によらない が得られます。

計算例:

で考えます。 が成り立つので、指数 のヘルダー連続です。

したがって で一様連続になります。

導関数 は原点の近くで非有界です。導関数が非有界でも一様連続でありうる、という例になっています。

導関数が有界なら一様連続

区間 が微分可能で ならば、 でリプシッツ連続、したがって一様連続です。

平均値の定理から となるからです。

十分条件であって必要条件ではありません。 のように、導関数が非有界でも一様連続な関数があります。

区間であることが要ります。定義域が離れていると、平均値の定理を当てる区間が取れません。

無限遠で極限を持てば一様連続

もう 1 つ使いやすい十分条件です。フランス語圏の教材が演習問題としてよく載せています。

で連続で、 が有限の値として存在すれば、 で一様連続である。

証明の筋はこうです。極限の定義から、ある より右では値が極限の 以内におさまります。そこでは 2 点の差が 未満です。

一方 は有界閉区間なので、後で述べるハイネ・カントールの定理から一様連続です。2 つの の小さいほうを取れば、全体で使えます。

この判定で がまとめて一様連続だとわかります。この結果はフランス語圏の教材で標準的に扱われています

計算例: で一様連続でない

ここから反例に移ります。 の差を書きます。

が大きければ、 が小さくても積は大きくなります。列を作りましょう。

とすると ですが、値の差は に行きません。

が悪さをしています。なお は有界閉区間 の上では一様連続です。

計算例: で一様連続でない

有界な区間でも、閉じていなければ崩れます。 で考えます。

とすると、距離は に行きます。

ところが値の差はいつも です。

で反例になりました。原点に近づくほどグラフが立つので、同じ ではまかないきれません。

計算例: で一様連続でない

値が有界でも崩れる例です。 で考えます。

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113L402 113L402 113L402 114L402 114L402 115L402 115L402 116L402 117L402 117L402 118L401 119L401 119L401 119L401 120L401 120L401 119L401 119L401 118L401 118L401 117L401 117L401 116L401 115L401 115L401 114L401 114L401 114L401 114L401 114L401 114L401 114L401 115L401 116L401 116L401 117L400 118L400 118L400 119L400 119L400 119L400 119L400 119" fill="none" stroke="#1b81e0" stroke-width="1.4"/><text x="520" y="24" font-size="13" fill="#1b81e0" text-anchor="middle">y = x sin(1/x)</text><text x="520" y="222" font-size="12" fill="#8a8a8a" text-anchor="middle">振れ幅が ±x に押さえられて潰れる</text><text x="350" y="256" font-size="12" fill="#8a8a8a" text-anchor="middle">左は 0 へ連続に伸ばせないので (0, 1] で一様連続ではありません</text><text x="350" y="276" font-size="12" fill="#8a8a8a" text-anchor="middle">右は値が 0 に収束するので、0 を足した閉区間まで連続に伸びます</text></svg>

山と谷の位置を取ります。 とすると、どちらも へ行くので距離は に行きます。

一方 なので、値の差はつねに です。

で有界なのに一様連続ではありません。有界性は何の助けにもならない、ということです。

計算例: は有界なのに一様連続でない

同じことが 全体でも起きます。 を考えましょう。

とします。差を有理化すると距離が へ行くのがわかります。

値のほうは で、差はつねに です。

が大きいところでは の増え方が速く、振動の周期がいくらでも短くなります。有界でも振動が細かくなれば崩れる、という形の反例です。

計算例:

で一様連続ではありません。 とすると距離は へ行きますが、値の差は発散します。

で一様連続ではありません。 とすると距離は へ行きます。

一方、値の差は で一定です。 が反例を作ります。

なお では一様連続です。導関数 がそこで 以下に押さえられるからです。

計算例:

一様連続な関数を 2 つ掛けても、一様連続とはかぎりません。 はどちらも で一様連続でした。

を見ます。 とすると距離は へ行きます。

である一方、 に近づきます。

が効いています。差は に近づくので、一様連続ではありません。

で有界かつ連続ならば、 で一様連続ですか。

  • 一様連続である
  • 一様連続とはかぎらない
  • 有界性からただちに従う
__RESULT__

の上の が反例です。 で有界、しかも連続ですが、原点の近くで振動が細かくなり一様連続になりません。 上の も同じ形の反例です。

和・定数倍・合成は保たれる

崩れない演算もあります。 で一様連続なら、 も一様連続です。

和については なので、それぞれ 未満にする の小さいほうを取れば済みます。

合成も保たれます。 がともに一様連続なら も一様連続です。

に対する を先に取り、それを 側に渡して を取ります。順番が逆にならないよう注意すれば、素直に通ります。

積は保たれない

積は保たれません。前に見た がそのまま反例です。

と自分自身の積 も反例になります。どちらの因子も一様連続なのに、積は で一様連続ではありません。

ただし が有界なら積も一様連続になります。一様連続な関数は有界集合の上で有界になり、その有界性を使うと を分解して押さえられるからです。

コーシー列をコーシー列に写す

一様連続性の重要な帰結です。

で一様連続で、 のコーシー列ならば、 もコーシー列である。

証明します。 に対して一様連続性から を取ります。 がコーシー列なので、ある より先では です。

このとき となり、 もコーシー列になりました。

各点連続では成り立ちません。 が点ごとに変わってしまうと、番号 を 1 つに決められないからです。

計算例:この判定で を落とす

前の節の対偶を使うと、反例の判定が 2 行で終わります。

の上の を見ます。 は収束列なのでコーシー列です。

ところが は非有界なので、コーシー列ではありません。したがって で一様連続ではありません。

同じ判定が 上の にも効きます。 はコーシー列ですが、 を行き来する列にできます。

有界集合の上では値も有界

もう 1 つの帰結です。 が有界で で一様連続ならば、 で有界です。

に対する を取り、 を幅 の区間で覆います。 が有界なので、有限個で足ります。

各区間の上では値の振れ幅が 未満なので、全体でも有限の幅におさまります。

この判定でも 上の が落ちます。定義域は有界なのに値が非有界だからです。

ハイネ・カントールの定理

一様連続性についてもっとも重要な定理です。

をコンパクトな距離空間、 を距離空間とする。連続写像 は一様連続である。

とくに有界閉区間 の上の連続関数は一様連続です。ハイネが 1872 年に証明を発表しましたが、それ以前にワイエルシュトラスが把握していたことも知られています

定理の仮定にあるコンパクトは、 の部分集合については「有界かつ閉」と同じです。

どんな開被覆からも有限個を選べる、という性質。実数の中では有界閉集合がちょうどこれにあたります。

この定理があるので、閉区間の上では連続性と一様連続性を区別する必要がありません。反例が出てくるのは、区間が閉じていないか、有界でないときだけです。

証明:ハイネ・カントールの定理

の場合を、列による判定法と背理法で示します。

が一様連続でないとしましょう。否定形から、悪さをする が 1 つ取れます。

について を試すと、 でありながら となる が取れます。

は有界なので、ボルツァーノ・ワイエルシュトラスの定理から収束する部分列 が取れます。極限を とすると、 が閉なので です。

なので、 も同じ に収束します。

で連続なので、 かつ です。すると となり、これが 以上であることと矛盾します。

どこでコンパクト性が効いたのか

証明を振り返ると、コンパクト性が 2 回効いています。

1 回目は有界性です。 から収束部分列を取り出すのに、ボルツァーノ・ワイエルシュトラスの定理が要りました。

2 回目は閉であることです。極限 が定義域の中にないと、そこでの連続性が使えません。

上の では、 の極限 が定義域の外にあります。閉でないほうが破れている例です。

上の では、 から収束部分列が取れません。有界でないほうが破れています。

開区間で一様連続であることの言い換え

有界な開区間については、一様連続性の完全な言い換えがあります。

が一様連続であることと、 上の連続関数へ拡張できることは同値である。

片方は簡単です。 へ拡張できれば、ハイネ・カントールの定理から拡張したものが一様連続で、 に制限しても一様連続だからです。

逆は前に見たコーシー列の保存から出ます。 なる列を取ると はコーシー列なので もコーシー列で、実数の完備性から収束します。

この極限を と定めれば連続に伸びます。この形の同値性は Lebl の教科書が命題として挙げています

計算例:伸びる例と伸びない例

言い換えを使うと、判定が視覚的になります。

で考えます。 なので に収束します。

と定めれば 上の連続関数になるので、 で一様連続です。 を直接扱わずに結論が出ました。

一方 で振動して極限を持ちません。 へ連続に伸ばせないので、一様連続ではありません。前の節で列を作って示したことが、1 行で片づきます。

も同じです。 で発散するので伸びません。

稠密な部分集合からの拡張

言い換えの一般形です。応用の広い定理になっています。

が距離空間 の稠密な部分集合で、 が一様連続ならば、 全体へ連続に拡張する方法がただ 1 つ存在する。

拡張の作り方は同じです。 に対し の列 を取り、 の極限を と定めます。

有理数の上で定義した一様連続な関数が実数全体へ一意に伸びる、というのがいちばん身近な例です。実数の構成や、関数解析での作用素の拡張が、この定理の上に立っています。

の上の連続関数 が一様連続であるかどうかは、どこを見れば判定できますか。

  • が有界かどうか
  • 両端で有限の極限を持つかどうか
  • の導関数が存在するかどうか
__RESULT__

有界な開区間では、一様連続であることと へ連続に拡張できることが同値です。拡張できる条件は両端で有限の極限を持つことなので、そこを見れば決まります。 は有界ですが極限を持たないので一様連続ではありません。

連続率

を扱わずに一様連続性を測る道具があります。

の連続率といいます。幅 の窓の中で、値が最大どれだけ動くかを表しています。

HTML
CSS
JavaScript
<svg viewBox="0 0 700 300" xmlns="http://www.w3.org/2000/svg" style="max-width:100%;height:auto;display:block;margin:0 auto"><line x1="107" y1="206" x2="547" y2="206" stroke="#dcdcdc" stroke-width="1"/><line x1="107" y1="206" x2="107" y2="41" stroke="#dcdcdc" stroke-width="1"/><path d="M107 206L109 194L112 189L115 186L117 182L120 180L123 177L125 175L128 173L130 171L133 169L136 167L138 165L141 163L144 162L146 160L149 159L151 157L154 156L157 154L159 153L162 152L164 151L167 149L170 148L172 147L175 146L178 145L180 143L183 142L185 141L188 140L191 139L193 138L196 137L199 136L201 135L204 134L206 133L209 132L212 131L214 130L217 129L220 128L222 128L225 127L227 126L230 125L233 124L235 123L238 122L241 122L243 121L246 120L248 119L251 118L254 118L256 117L259 116L262 115L264 114L267 114L269 113L272 112L275 111L277 111L280 110L283 109L285 109L288 108L290 107L293 106L296 106L298 105L301 104L303 104L306 103L309 102L311 102L314 101L317 100L319 100L322 99L324 98L327 98L330 97L332 96L335 96L338 95L340 94L343 94L345 93L348 93L351 92L353 91L356 91L359 90L361 90L364 89L366 88L369 88L372 87L374 87L377 86L380 85L382 85L385 84L387 84L390 83L393 83L395 82L398 81L401 81L403 80L406 80L408 79L411 79L414 78L416 78L419 77L422 76L424 76L427 75L429 75L432 74L435 74L437 73L440 73L443 72L445 72L448 71L450 71L453 70L456 70L458 69L461 69L463 68L466 68L469 67L471 67L474 66L477 66L479 65L482 65L484 64L487 64L490 63L492 63L495 62L498 62L500 61L503 61L505 60L508 60L511 59L513 59L516 58L519 58L521 57L524 57L526 56" fill="none" stroke="#1b81e0" stroke-width="2.5"/><path d="M107 206L317 131L526 56" fill="none" stroke="#e0761b" stroke-width="2.5"/><line x1="107" y1="113" x2="526" y2="113" stroke="#9a9a9a" stroke-width="2.5" stroke-dasharray="7 4"/><circle cx="107" cy="206" r="4" fill="#1b81e0"/><text x="536" y="61" font-size="13" fill="#1b81e0">√δ</text><text x="536" y="82" font-size="13" fill="#e0761b"></text><text x="536" y="118" font-size="13" fill="#9a9a9a">一定</text><text x="97" y="211" font-size="13" fill="#8a8a8a" text-anchor="end">0</text><text x="317" y="226" font-size="13" fill="#8a8a8a" text-anchor="middle">δ</text><text x="350" y="262" font-size="12" fill="#8a8a8a" text-anchor="middle">連続率 ω(δ) が δ → 0 で 0 に行くことと、一様連続であることは同じです</text><text x="350" y="282" font-size="12" fill="#8a8a8a" text-anchor="middle">青と橙は 0 へ落ちるので一様連続、灰は落ちないので一様連続ではありません</text></svg>

が一様連続であることと、 のとき となることは同値です。定義を書き換えただけですが、 の役を 1 つの関数に押し込めたぶん扱いやすくなります。

リプシッツ連続なら 、指数 のヘルダー連続なら です。どちらも へ落ちます。

計算例:連続率を求める

で考えます。 で、しかも で等号になります。

したがって です。 なら なら と落ちていきます。

で考えると、どんな に対しても山と谷の対が窓に入るので です。 に落ちないので一様連続ではありません。

の落ち方の速さが、そのまま関数のなめらかさの尺度になります。近似理論では、この で誤差を評価するのが標準的な作法です。

一様連続はほぼリプシッツ

リプシッツより弱いはずの一様連続が、ある意味でほとんどリプシッツになる、という結果があります。

が一様連続ならば、任意の に対してある が存在して、すべての で次が成り立つ。

証明の筋はこうです。 に対する を取り、 を結ぶ線分を長さ 以下の区間に分けます。

分割数は 以下なので、各区間で ずつ足していけば右辺の形になります。 と取れます。

リプシッツとの差が、定数 の上乗せだけにおさまる、という主張です。

上では高々 1 次の増大

前の節の系として、増大の速さに上限がつきます。

で一様連続ならば、定数 があって が成り立つ。

証明します。 に対する を取ります。 を結ぶ区間を長さ 以下の 個に分けると、 です。

各区間の両端で値の差が 未満なので、足し合わせると次を得ます。

と取れば結論です。この形の主張は PlanetMath にも項目が立っています

計算例:この判定で 2 つを同時に落とす

増大の判定は、反例探しをいちばん短くしてくれます。

なので、1 次の増大におさまりません。 で一様連続ではありません。

なので同じです。列を作らずに 1 行で片づきます。

逆は言えません。 は有界なので当然 1 次の増大におさまりますが、一様連続ではありませんでした。必要条件であって十分条件ではない、ということです。

列を作る

なのに値の差が離れたままの 2 列を見つける。もっとも汎用的な方法です。

コーシー列を壊す

コーシー列が非有界な像に写れば、その時点で一様連続ではありません。開区間の端が怪しいときに効きます。

増大の速さを見る

の上で 1 次より速く増えれば一様連続ではありません。 を一目で落とせます。

応用:リーマン積分可能性

閉区間の上の連続関数が積分可能であることの証明で、一様連続性が本質的に使われます。

に対し、一様連続性から を取ります。幅が 未満の分割を用意しましょう。

各小区間で関数の振れ幅は 未満なので、上限和と下限和の差は 未満になります。

分割を細かくすれば差はいくらでも小さくできるので、積分可能です。ここで各点連続だけでは、区間ごとに違う になってしまい、1 つの分割にまとめられません。

応用:一様収束との関係

名前が似ているので混同しやすいのですが、一様連続と一様収束は別の概念です。

一様連続は 1 つの関数についての性質で、 が点によらないことをいいます。一様収束は関数列についての性質で、収束の速さが点によらないことをいいます。

つながりはあります。一様連続な関数の列 に一様収束すれば、 も一様連続です。

各点収束では保たれません。 上の はどれも連続なので一様連続ですが、各点極限は で不連続になります。

応用:微分方程式の解の存在

微分方程式 の解の存在と一意性では、 についてリプシッツ条件をみたすことが使われます。

存在だけをいうペアノの定理では、アスコリ・アルツェラの定理が要になります。ここで現れる同程度連続性は、一様連続性を関数の族へ広げたものです。

が同程度連続であるとは、 に対する が点によらないだけでなく、族の中のどの関数についても共通に取れることをいいます。

をどこまで共通にできるかを問う、という発想が、そのまま一段上の定理へつながっていきます。

よくある誤り

一様連続を各点連続と同じだと思う。 が場所によらないという条件が余分に付きます
有界なら一様連続だと思う。 上の は有界ですが一様連続ではありません
連続なら一様連続だと思う。成り立つのは定義域がコンパクトなときだけです
有界な区間なら一様連続だと思う。 上の が反例です。閉じていることも要ります
一様連続なら導関数が有界だと思う。 の導関数は原点の近くで非有界です
一様連続な関数の積が一様連続だと思う。 が反例です
一様連続と一様収束を混同する。前者は 1 つの関数、後者は関数列についての性質です
反例を作るときに を先に決める。 を先に固定してから列を作ります

参考文献

Jiří Lebl, Basic Analysis: Uniform continuity
Encyclopedia of Mathematics: Uniform continuity
Mathe für Nicht-Freaks: Gleichmäßige Stetigkeit
Math-OS: A propos de la continuité uniforme
Bibmath: Continuité uniforme
Rafael Payá, Análisis Matemático I: Continuidad uniforme
WIIS: 関数の一様連続性
PlanetMath: Uniformly continuous on R is roughly linear
PlanetMath: Finite limit implying uniform continuity
Robert J. Vanderbei, Uniform continuity is almost Lipschitz continuity
連続性は点ごとの条件を集めたものだが、一様連続性は定義域全体に 1 つの δ を要求する。この差が積分可能性や関数の拡張といった大域的な議論を支える。定義の読み方、列による判定法、例と反例、ハイネ・カントールの定理、連続率までを証明つきで解説する。