媒介変数で表された関数の微分はなぜ割り算になるのか
と が、どちらも の式で与えられることがあります。円なら 、 という書き方。
このとき接線の傾きは、 で微分したもの同士の割り算で出ます[1]。
を の式に直す必要はありません。直せない曲線でも、この形なら傾きが求まる。
円が転がるとき、周上の 点が描く曲線がサイクロイドです。、 と表せます。
なぜ割り算になるのか
は を通して とつながっています。合成関数の微分をたどると、割り算の形が出ます[2]。
両辺を で割れば公式になります。分数の見立てがそのまま働くところが、ライプニッツの記号の強みです。
割るのだから が要ります。この条件が崩れる点では、接線が縦を向くか、曲線がとがる。
例:円の接線を求める
、 とします。それぞれ で微分します。
割ると です。、 を戻すと となり、陰関数の微分で求めた形と一致します[3]。
なら傾きは 。接点は です。

が少し進むと、点は横に 、縦に だけずれます。この つの比が、そのまま接線の傾き。
例:サイクロイドの傾き
、 を で微分します。
割ると です。半角の公式を使えば とも書けます。
のとき傾きは で、山の頂上。 では分母が に近づき、傾きが限りなく大きくなります。
地面に触れる瞬間、曲線はとがった形になります。 と が同時に になる点だからです。
例: を消せる場合
、 とします。傾きは 。
この曲線は と書き直せます。陰関数の微分でも が出て、 を戻せば同じ式。
を消せるなら、どちらの道を通っても同じ答えに着きます。消せないときに媒介変数の形が効いてきます。
、 のとき、 での接線の傾きはどれか。
接線が水平になる点、垂直になる点
分子と分母のどちらが になるかで、接線の向きが決まります。
かつ のとき。傾きが になる
かつ のとき。傾きが決まらない
両方が同時に になる点は、別に調べます。サイクロイドの がその場合で、曲線がとがっている。
さきほどの 、 なら、 から で水平。 から で垂直です。
第 2 次導関数は割り方に注意
を求めるとき、 を 回微分して割る、という手は使えません。
正しい手順は、 をもう一度 で微分し、それを で割ることです。
、 で試します。 を で微分すると 、これを で割って 。
で微分するという操作を、 で微分してから で割る操作に置きかえている。 階のときと同じ考え方です。
、 のとき、 での接線はどうなるか。
- 傾きが の直線
- 縦向きの直線
- 傾きが の直線
は で 、 は です。傾きは になり、点 での接線は横向き。縦向きになるのは や のほうです。
上の問題は分子と分母のどちらが かをとり違えやすい形。 を代入したあと、必ず両方の値を並べて確かめます。
媒介変数を使う理由
物理の運動を扱うときは、この書き方が自然です。位置を時刻の式で書けば、微分がそのまま速度になります。










dtdx=2t、dtdy=3t2−3 です。t=2 を入れると dtdx=4、dtdy=9 となり、割って 49 になります。