高階微分で示す不等式、導関数の符号が決まらないときの二段構え
不等式を示すときは、差の関数を作って最小値を調べます。ところが の符号が、そのままでは決まらないことがある。
そういうときは、もう一度微分します。 の符号から の増減を出し、 の符号から の増減を出す。二段構えです。
つとも で正のグラフです。ただし、それが分かる順番は下から。 が正だと分かってはじめて、 の増減が言えます。
二段構えの手順
書く順番は決まっています。
出発点の値が になるように を作るところが工夫です。 で 、 と続けば、話がつながります。
例:指数関数を 2 次式で押さえる
で を示します。差を とおきます。
では なので 。よって は増加します。
なので、 では 。したがって も増加します。
なので、 では です。これで示せました[1]。
例:三段まで下りる場合
で を示します。 とおきます。
の符号は、 から分かります。 で 。
あとは同じ流れです。 から 、 から 。
のほうも、 回微分すれば示せます。 だからです。

本が上下にはさまっています。 が真ん中で、 次式が上、 次式が下。
はさむ多項式の次数を上げるほど、近づき方がよくなります。マクローリン展開の考え方につながる形です[2]。
何回微分するかの見極め
微分するたびに、式は簡単になっていきます。多項式なら次数が下がり、指数関数と三角関数は形が保たれる。
止めどきは、符号がはっきり読める形になったときです。 や のように、既知の不等式で片づく形を目指します。
深く下りるほど、戻るときに書く行が増えます。 から 、 から と、そのつど「値 から出発して増加」を書く。
例:対数は 1 回で足りる
で を示します。差を とおいて 回微分します。
通分しただけで符号が読めました。 で正なので は増加、 から結論が出ます。
通分や因数分解で決まるなら、そこで止めます。回数を増やすことが目的ではありません。
で を示すには、何回微分すれば足りるか。
- 回
- 回
- 回
出発点の値をそろえる
にならない場合もあります。そのときは、 の最小値を計算して符号を見ます。
で を示すなら、 とおきます。
から で最小、。最小値が なので、不等式が成り立ちます。
区間の端が開いている場合は、極限を調べます[3]。 で発散するなら、最小値は内部にある。
、、 で のとき、 での の符号はどれか。
- 負
- 正
- 決まらない
から は増加し、 なので で です。すると も増加し、 から になります。
気をつけるところ
一段ずつ下りて、一段ずつ戻る。書く行は増えますが、道筋そのものは単純です。











h(x)=ex−1−x とおくと h′(x)=ex−1 です。x>0 で正なので、1 回で符号が決まります。