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逆三角関数の微分、三角比の逆から根号が生まれる

を について解いた関数が です。三角関数の逆をたどる形になります。

そのままでは が つに決まらないので、範囲を区切ります。 は 、 は 、 は 。

黒が 、青が 。破線について折り返した位置にあります。

では接線が縦を向きます。もとの の傾きが になる点だからです。

微分の公式

逆関数の微分の公式から出ます[1]。

三角関数の逆なのに、答えに根号と分数が出てきます。この見た目の落差が、この単元の面白いところ。

根号はどこから来るのか

とおくと です。両辺を で微分します。

このままでは が残ります。 を で書き直します。

では なので、根号の符号が決まります[3]。

範囲を区切ったことが、ここで効いています。区切らなければ符号が決まりません。

arctan には根号が出ない

なら です。微分すると 。

を使うと、根号を通らずに済みます。分母が有理式になる形です。

傾きはつねに正で、原点で 、離れるほど に近づきます。グラフが に貼りつく形と対応しています。

例:合成と組み合わせる

を微分します。外側の公式に、内側の微分 を掛けます[1]。

なら 。定義域は に縮みます。

内側が式になると、定義域も一緒に変わります。根号の中が正になる条件を、そのつど確かめます。

arcsin と arccos の和

つを足すと定数になります。微分すると、その理由がすぐ分かる。

導関数が なので、和は定数です[2]。 を入れると 。

の公式に負号が付く理由も、ここから読めます。 の符号を変えただけの形になっている。

の導関数はどれか。

__RESULT__

を微分して 。範囲のとり方から なので、 になります。

積分の側から見ると

微分の公式を逆に読むと、根号や分数を含む式の原始関数が分かります。

の原始関数は、有理式では書けません。逆三角関数を用意して、はじめて表せる形です。

が の穴を埋めたのと同じ事情です。関数の種類が増える理由が、ここにあります。

の導関数はどれか。

__RESULT__

外側の公式に内側 を代入すると 、これに内側の微分 を掛けます。分母の と分子の が両方いります。

押さえるところ

逆三角関数は、範囲を区切ってはじめて関数になります。
微分は逆関数の公式から出ます。 です。
残った を に直すとき、区切った範囲が符号を決めます。
には根号、 には有理式が現れます。
積分の公式として使う場面のほうが多い。

高校の教科書では扱いませんが、大学の微積分では最初に出てきます。逆関数の微分の練習としても、ちょうどよい題材です。

参考文献

Derivatives of Inverse Functions - Calculus Volume 1, OpenStax
The Mean Value Theorem - Calculus Volume 1, OpenStax
Differentiation of trigonometric functions - Wikipedia
$x = \sin y$ を微分すると $dy/dx = 1/\cos y$ が出ます。$y$ を $x$ に直すとき、区切った範囲が $\cos y \ge 0$ を保証し、そこから $\sqrt{1-x^2}$ が現れる。$\arctan$ では $1+\tan^2 y$ を使うので根号が出ず、分母が有理式になります。傾きが原点で 1、離れるほど 0 に近づく様子も図に。$\arcsin x + \arccos x = \pi/2$ の理由まで。