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グラフの凹凸と変曲点を決める第 2 次導関数の符号

同じ増加でも、勢いを増しながら上がる場合と、勢いを落としながら上がる場合があります。この違いが凹凸です。

の区間では下に凸、 の区間では上に凸になります[1]。

下に凸なら接線は曲線の下を通り、上に凸なら上を通る。接線と曲線の位置関係が、そのまま凹凸の言い換えになります。

接線の色が変わる位置が、凹凸の境目です。左半分では接線が曲線の上にあり、右半分では下に移ります。

変曲点

凹凸が入れかわる点を変曲点といいます[2]。連続な関数について、そこで曲がり方の向きが変わる。

変曲点では になります。ただし、それだけでは足りません。 が符号を変えることまで要ります。

ふつうの点では、接線は曲線の片側にとどまります。変曲点だけは例外で、接線がグラフを横切る[2]。

例:3 次関数の変曲点

を調べます[1]。 回微分します。

から です。 で負、 で正なので、符号が変わっています。

なので、変曲点は 。 次関数の変曲点は つだけで、グラフはその点について対称になります。

だけでは足りない

を見ます。 なので です。

ところが は の前後でどちらも正。符号が変わらないので、原点は変曲点ではありません。

のグラフは全体が下に凸です。底が平らに見えるだけで、曲がり方の向きは変わっていない。

の変曲点の 座標はどれか。

  • だけ
__RESULT__

です。 で になり、前後で符号も変わります。 は になる点で、こちらは極大です。

例:指数関数の変曲点

を調べます。釣鐘の形をしたグラフです。

はつねに正なので、符号は で決まります。 が変曲点。

山の頂上と裾のあいだで、曲がり方が変わっています。統計で使う正規分布のグラフも同じ形で、変曲点の位置が広がりの目安になります。

例:対数関数と分数関数

は なので、定義域全体で上に凸です。変曲点はありません。

は です。 で下に凸、 で上に凸。

符号は の前後で変わりますが、そこは定義域の外。変曲点とは呼びません。定義域を確かめる手順が要る例です。

どちらも原点で になります。左は符号が変わるので変曲点、右は変わらないので違います。

凹凸から不等式が出る

下に凸な関数は、接線より上にあります。この位置関係が、そのまま不等式になる。

は なので下に凸です。 での接線は 。

等号は のときだけ成り立ちます。凹凸を調べておくと、こうした評価が図から読めます。

である区間について正しいものはどれか。

  • 関数は必ず減少する
  • グラフは上に凸になる
  • 関数は必ず極大値をとる
__RESULT__

の符号が決めるのは曲がり方で、増減ではありません。負なら上に凸で、接線は曲線の上を通ります。増減は の符号が決めます。

増減表に凹凸を足す

増減表に の段を足すと、グラフの形がほぼ決まります。

の符号で、上がるか下がるかが決まります。
の符号で、曲がり方の向きが決まります。
の点が極値の候補、 の点が変曲点の候補。
どちらも符号が変わるかどうかまで確かめます[3]。
定義域の切れ目は、候補と同じように区切りとして書き入れます。

上がり方が 通りに分かれます。増えながら下に凸、増えながら上に凸、減りながら下に凸、減りながら上に凸。この つを描き分けられれば、概形はほぼ完成です。

参考文献

Derivatives and the Shape of a Graph - Calculus Volume 1, OpenStax
Point d'inflexion - Wikipédia(フランス語)
Extremwert - Wikipedia(ドイツ語)
$f''>0$ なら下に凸で接線は曲線の下、$f''<0$ なら上に凸で接線は上。境目が変曲点で、そこだけ接線がグラフを横切ります。$x^3-6x^2+9x+30$ の変曲点 $(2, 32)$ を計算し、$x^4$ のように $f''=0$ でも符号が変わらない場合と見比べます。$e^{-x^2}$ の釣鐘形、$\log x$ に変曲点がない理由、凹凸から $e^x \ge x+1$ を読む話まで。