凸な関数は接線より上にある(相加相乗もイェンゼンもここから出る)
下に凸な関数には、 つの位置関係があります。接線はグラフの下、弦はグラフの上[3]。
この つが、そのまま不等式になります。ひとつは接線による評価、もうひとつが弦による評価です。

黒が関数、青が接線、赤が弦です。 本の直線が、曲線をはさんでいます。
接線による不等式
の での接線は です。下に凸なので、接線は曲線の下。
等号は接点だけで成り立ちます。同じ手で、 の での接線から次が出ます。
は上に凸なので、向きが逆になります。接線が上にくる形です。
接点をずらせば、別の不等式が作れます。 の での接線からは が出る。
弦による不等式
区間の両端を結ぶ弦は、下に凸な関数のグラフより上にあります。この事実を式にしたものがイェンゼンの不等式です[1]。
点の場合を書きます。 とします。
左辺が曲線の高さ、右辺が弦の高さ。上に凸なら不等号の向きが逆になります。
青い縦線が、弦と曲線のへだたりです。 を動かしても負にはならず、両端でだけ になります。
n 個に広げる
重みを 個にしても成り立ちます[1]。和が の正の数 について書きます。
証明は数学的帰納法です。 が凸性の定義そのもので、そこから つずつ増やしていきます。
重みをすべて にすると、平均どうしの比較になります。
例:相加平均と相乗平均
は上に凸なので、不等号の向きが逆になります[2]。
右辺は と書けます。 が増加関数なので、中身どうしを比べられます。
相加平均と相乗平均の関係が出ました。等号は、すべての値が等しいときだけ[2]。
なら です。面積が同じ長方形のうち、正方形がいちばん周が短い、という話と同じ内容になります。
が上に凸であることは、どの計算から分かるか。
例:三角形の角に使う
は で上に凸です。三角形の つの角に、 の形を当てます。
右辺は なので、。
等号は 、つまり正三角形のときです。凸性の不等式は、等号の場合が「全部そろったとき」になります。
接線と弦の使い分け
点のまわりで押さえるとき。 のように、 変数の評価になる
いくつかの値の平均を比べるとき。相加相乗のように、 変数の評価になる
接線は 点の情報から出る不等式、弦は複数点の関係から出る不等式です。どちらも凹凸の符号がもとになっています[3]。
で の等号が成り立つのはどんなときか。
- のとき
- のとき
- のとき
すべての値が等しいときだけ等号になります。 を展開しても、同じ条件が出ます。
押さえるところ
不等式を作るとき、どの関数の凹凸を使うかが最初の判断です。、、 のどれかで片づくことが多い。










凹凸を決めるのは第 2 次導関数の符号です。−x21 は定義域全体で負なので、上に凸になります。