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連続でも微分できない点がある(角、とがり、垂直な接線)

微分できる点では、グラフは必ずつながっています。逆は成り立ちません[1]。

つながっていても微分できない点があります。角のある点、とがった点、接線が縦を向く点。

左は左右で傾きが違い、真ん中は両側から縦に立ち上がり、右は接線が縦向きになります[1]。

連続であることの意味

で連続とは、次の つがそろうことです。

の値が決まっていること。
のときの極限が存在すること。
その極限が と一致すること。

グラフに切れ目も飛びもない、という状態です。鉛筆を離さずに描けるかどうか、という言い方でも近い。

微分可能であることの意味

で微分可能とは、次の極限が存在することです。

を正の側から近づけた値を右側微分係数、負の側からの値を左側微分係数といいます。 つが一致してはじめて、極限が存在する。

微分できれば連続である

証明は短く済みます[1]。差を、差の商と の積に書き直すところが要点です。

のとき、右辺は に近づきます。左辺が に近づくので 、つまり連続。

逆向きは言えません。連続という条件は、極限が存在することまでしか要求していないためです。

例:絶対値の原点

の原点で、左右の微分係数を計算します。

なら 、 なら です。

つが違うので極限がありません。グラフの角が、この食い違いに対応します。

を縮めても、左右の傾きは と のまま動きません。近づく先が つある状態では、極限が決まらない。

例:3 乗根の原点

は原点でつながっています。 を見ると、 で限りなく大きくなる[1]。

左右どちらから近づけても へ発散します。値が一致していても、実数として存在しないので微分できません。

接線は縦を向きます。傾きという数が決まらない点、と言い直せます。

例:つなぎ目で微分可能にする

次の関数が で微分可能になる と を求めます。

条件は つです。まず連続であること。 の両側で値がそろう必要があります。

次に左右の微分係数がそろうこと。左は に を入れて 、右は です。

、 と決まります。連続だけでは足りず、傾きの一致まで書くところが要点。

は でどうなるか。

  • 連続でないので微分もできない
  • 連続で、微分もできる
  • 連続だが微分できない
__RESULT__

で 、 で です。左右の微分係数はどちらも になり、一致します。見た目に角がないので、絶対値が付いていても微分できます。

微分できない点の見分け方

グラフに角がある点。左右の傾きが違います。
とがっている点。両側から傾きが逆向きに発散します。
接線が縦を向く点。傾きが実数として決まりません。
切れている点、飛んでいる点。連続でないので当然できません。
細かく振動して落ち着かない点。極限そのものが存在しません[1]。

入試で出るのは、絶対値の入った関数と、場合分けで定義された関数です。どちらもつなぎ目を調べる形になります。

定義域の端では片側だけ

閉区間の端では、片側からしか近づけません。 の がその例です。

右側微分係数だけを考えれば、そこでも接線の話ができます[2]。ただし の場合はその値が発散するので、やはり微分できない。

平均値の定理が「閉区間で連続、開区間で微分可能」と書き分けているのは、この事情のためです[2]。端では微分可能を要求しません。

連続と微分可能の関係について正しいものはどれか。

  • 連続なら必ず微分できる
  • 微分できるなら必ず連続である
  • どちらも相手を導かない
__RESULT__

差を「差の商と の積」に書き直すと、微分できる点で連続であることが示せます。逆は の原点が反例になります。

まとめ

連続はつながっていること、微分可能はなめらかにつながっていること。 つは階段になっていて、下の段が連続です[3]。

つなぎ目を問われたら、値の一致と傾きの一致を順に書く。この 段構えが答案の形になります。

参考文献

The Derivative as a Function - Calculus Volume 1, OpenStax
The Mean Value Theorem - Calculus Volume 1, OpenStax
Dérivées usuelles - Wikipédia(フランス語)
微分できる点は必ずつながっていますが、逆は成り立ちません。$|x|$ の角、$x^{2/3}$ のとがり、$\sqrt[3]{x}$ の縦向きの接線を並べて見比べます。$h$ を縮めても左右の傾きが $-1$ と $1$ のまま動かない様子も動かして確かめる。場合分けの関数がつなぎ目で微分可能になる条件は、値の一致と傾きの一致の 2 段構えです。