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面積や体積をいちばん大きくする……最大・最小の文章題の組み立て

文章題で最大や最小を求めるとき、計算そのものは増減表を書くだけです。手間がかかるのは、その前の組み立て。

手順は つに決まっています[1]

変数を置きます。図がかけるなら、かいて記号を書き込みます。
何を最大または最小にするのかを、はっきりさせます。
その量を変数の式で表します。
変数どうしの関係式を使い、 変数の関数に直します。
問題の状況から定義域を決めます。
増減を調べ、極値と端の値を比べます。

番目と 番目を飛ばすと、答えが出ても意味を持ちません。変数が つ残ったままでは微分できず、定義域を外れた解は現実に合わない。

切り落とす正方形を大きくすると、底面は小さくなり高さは増します。両方の兼ね合いで、途中に山ができる。

例:厚紙から箱を作る

センチ センチの厚紙の四隅から、一辺 の正方形を切り落として箱を作ります[1]

底面は 、高さは です。体積を式にします。

定義域は 以上だと、短いほうの辺が残りません。

微分して とおきます。

解は です。定義域に入るのは のほう。

体積はおよそ 立方センチになります。もう つの解を捨てる作業まで含めて答案です。

例:壁を利用して囲む

長さ メートルの金網で、長方形の 辺を囲みます。残りの 辺は壁を使う[1]

壁に垂直な辺を とすると、壁と平行な辺は です。面積を式にします。

定義域は から です。

このとき縦が 、横が で、面積は 平方メートル。金網の半分が壁と平行な辺に使われる形になります。

図に記号を書き込むと、関係式が目で拾えます。 辺の合計が という条件が、そのまま の形。

例:缶の表面積を小さくする

体積が の円柱の缶で、材料をいちばん少なくする形を探します。半径を 、高さを とします。

体積の条件から です。これを表面積の式に入れて 変数にします。

微分すると 。これを とおくと が出ます。

このとき になります。高さが直径と等しい缶が、材料をいちばん節約する形。

周の長さが の長方形で、面積が最大になるのはどれか。

  • 、横
  • 、横
  • 、横
__RESULT__

縦を とすると横は で、面積は です。微分すると となり、 で最大。正方形のときが答えになります。

例:曲線上でいちばん近い点

放物線 の上で、点 にいちばん近い点を探します[1]

距離のままだと根号が邪魔なので、 乗して考えます。距離が最小のとき、 乗も最小です。

微分すると が解で、因数分解すると残りは実数解を持ちません。

いちばん近い点は 、距離は です。根号を外して考える工夫が、計算を軽くしています。

定義域と端の扱い

閉じた区間なら、極値と両端の値をすべて並べて比べます[2]。端で最大になることも珍しくありません[3]

開いた区間では端の値をとれないので、極限で様子を見ます。箱の問題では のどちらでも体積が に近づき、途中の極大が最大だと分かる。

閉区間のとき

極値の候補と両端の値をすべて計算し、いちばん大きいものと小さいものを選ぶ

開区間のとき

端は含めない。端に近づけたときの様子を調べ、極値が最大や最小になるかを確かめる

現実に合うかを確かめる

の解が つ出たとき、片方は定義域の外でした。数式が返してきた答えを、そのまま書かないところが大事です。

長さが負になる、材料が足りなくなる、袋が閉じない。式の上では成り立っても、状況として無理な解は捨てます。

のとき、 の最大値はどれか。

__RESULT__

を入れると です。微分して から 、そのとき で積は になります。

組み立てで気をつけるところ

変数を置いたら、単位も書き添えます。長さと面積を混ぜると式が合いません。
関係式は必ず つ以上あります。それを使って変数を つに減らします。
定義域は問題の状況から決めます。長さは正、材料の大きさを超えない、といった制限です。
最大値を聞かれているのか、そのときの を聞かれているのかを読み分けます。
乗や逆数に置きかえると計算が軽くなる場合があります。増減が同じ向きになることを確かめてから使います。

式を立てるところまで進めば、あとは増減表の作業です。図をかき、記号を入れ、関係式を探す。この つを毎回同じ順でやると、迷う場面が減ります。

参考文献

Applied Optimization Problems - Calculus Volume 1, OpenStax
Derivatives and the Shape of a Graph - Calculus Volume 1, OpenStax
Extremwert - Wikipedia(ドイツ語)
計算そのものは増減表を書くだけで、手間がかかるのは式を立てるまで。変数を置き、関係式で 1 変数に直し、状況から定義域を決める 6 手順をたどります。厚紙の四隅を切って作る箱では、切る大きさを動かすと体積に山ができる様子が見えます。壁を使うフェンス、材料を節約する缶、放物線上でいちばん近い点。定義域の外に出た解を捨てるところまでが答案です。