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関数の強さ比べ〜指数が多項式に勝ち、多項式が対数に勝つ順番

を大きくしていくと、関数によって増え方の勢いが違います。順位は決まっています[1]。

対数がいちばん遅く、指数がいちばん速い。多項式はそのあいだで、次数をいくら上げても指数には届きません。

視野を広げると、青い指数関数だけが縦に伸びます。 次関数はつぶれ、対数はほとんど平ら。

が小さいうちは順位が違って見えることもあります。順位が確定するのは、十分大きくしたあとです。

極限で書くとどうなるか

順位は極限の形で書けます[1]。

分母のほうが強いので、比が に落ちます。 をどれだけ大きくしても、結論は変わりません。

高校の範囲で示す

不等式ではさむ方法を使います。 で が成り立ちます[2]。

右辺が に近づくので、はさみうちの原理から 。

なら を使います。次数を つ上げた項で押さえる、という手順です。

対数のほうは置きかえます。 とおくと となり、。指数の話に帰着します。

y = log x / x を調べる

この関数は、大小比較の道具として何度も出てきます。増減を調べます。

で になり、そこが極大です。値は 。

で 、 で に近づきます。 で 軸と交わる形です。

で山になり、そこから下がっていきます。 と が同じ高さにあるところが、あとで効いてきます。

a の b 乗と b の a 乗を比べる

と の大小は、対数をとると見やすくなります。どちらも正なので、大小関係は変わりません。

両辺を で割ります。 と が正なら向きは変わりません。

さきほどのグラフの高さを比べるだけになりました。山の左右どちらにあるかで、結果が決まります。

例:e の π 乗と π の e 乗

と を比べます。 は で最大なので、 での値はそれより小さい。

両辺に を掛けると 、つまり 。

なので、 が出ます。数値では と です。

例:a の b 乗が b の a 乗と等しくなる自然数

となる、異なる自然数の組を探します。

グラフで同じ高さを 度通る値です。 と を計算します。

一致しました。 です。 をはさむ整数の組は、これしかありません。

以上の整数どうしでは、山の右側で単調に減るので、同じ高さを 度は通れない。

と の大小はどれか。

  • 等しい
  • のほうが大きい
  • のほうが大きい
__RESULT__

です。 で、指数が より大きいので を超えます。 で比べると、 が の左にある点として読めます。

極限の使いどころ

強さの順位は、グラフの概形でも使います[3]。

は で に近づきます。指数が勝つためです。
は で に近づきます。 のほうが強い。
は発散します。次数がいくら大きくても指数が勝ちます。
は に近づきます。根号でも対数より強い。

漸近線を調べるとき、この順位を知っていれば計算せずに見当がつきます。あとで極限を書いて確かめる、という順序でも足ります。

の値はどれか。

__RESULT__

指数関数は、どんな次数の多項式よりも速く増えます。分母が勝つので比は に近づきます。 の が大きくても結論は変わりません。

押さえるところ

順位は対数、多項式、指数。右にあるほど強い。
と が基本形です。
高校では、不等式ではさんで示します。
と の比較は の大小に直します。
その関数は で最大。左右で同じ高さを通る組が と です。

大小比較の問題は、たいてい か のどちらかに帰着します。形を覚えておくと、方針で迷いません。

参考文献

L'Hôpital's Rule - Calculus Volume 1, OpenStax
Eulersche Zahl - Wikipedia(ドイツ語)
Limits at Infinity and Asymptotes - Calculus Volume 1, OpenStax
視野を広げていくと、$e^x$ だけが立ち上がり $x^2$ はつぶれ、対数はほとんど平らになります。高校の範囲では $e^x > x^2/2$ ではさんで示せる。$a^b$ と $b^a$ の大小は $\log x / x$ の高さ比べに直り、$x=e$ が山だから $e^\pi > \pi^e$。同じ高さを 2 度通る整数の組が $2$ と $4$ だけ、という話までつながります。