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4 次関数のグラフと複接線……2 点で同時に触れる直線を探す

次関数のグラフには、 の形と の形があります[1]。導関数が 次式なので、極値は最大 つ。

次方程式の実数解の個数が、そのまま極値の数になります。

が負のあいだは谷が つあり、 の形。正になると谷が つにまとまります。

境目は です。 が、 個の解をもつか 個かで分かれます。

複接線

点で同時に接する直線を、複接線といいます。 次関数には、この直線が現れることがあります。

次関数では起こりません。接線と曲線の交点を求める式が 次で、重解を つ作る余地がないためです。

次なら 次式になり、 乗が つ並ぶ形にできます。次数の違いが効いています。

例:複接線を求める

と直線 点で接する条件を書きます。

差が つの重解をもつので、次の形に因数分解できます。

右辺を展開すると の係数は 。左辺には の項がないので です。

係数を比べます。 から の係数から 、定数から

複接線は です。接点は で、 つの極小点にあたります。

青い直線が 点で触れています。赤い点は変曲点で、 つあります。

この例では複接線が水平でした。 次の項や 次の項があると、傾いた複接線になります。

変曲点は 2 つか 0 個

次式です。判別式が正なら つ、負なら [1]

の形では、 つの谷のあいだに変曲点が つ並びます。山から谷へ移るところで、曲がり方が変わるためです。

の形でも変曲点をもつことがあります。極値の数と変曲点の数は、別々に決まります。

例:増減表を書く

を調べます。

で極小、 で極大です。値はそれぞれ

から、変曲点は 。偶関数なので、 軸について対称な形になります。

複接線は です。 つの極小点を通る水平な直線が、そのまま複接線になります[2]

次関数の極値の個数として、ありえないものはどれか。

__RESULT__

次式なので、実数解は 個か 個です。重解を含めても、符号が変わる点の数は になります。

偶関数の場合

のように偶数次だけなら、 軸について対称です。

つの極小の値が等しくなるので、複接線は水平になります。計算も短く済む。

奇数次の項が入ると対称性が崩れ、 つの谷の深さが変わります。それでも複接線は引けますが、傾いた直線になる。

偶関数の 4 次

軸について対称。 つの谷が同じ深さで、複接線は水平

一般の 4 次

対称性がない。谷の深さが違い、複接線は傾く

複接線の求め方をそろえる

直線を とおきます。
曲線との差をとり、 とおきます。
両辺を展開し、次数ごとに係数を比べます。
の係数から が決まります。
残りの式から を順に求めます。

接線を 本立てて連立する方法もありますが、重解の形に置くほうが計算が短い。 次式の因数分解として扱えます[3]

の複接線はどれか。

__RESULT__

で極小値 をとります。偶関数なので つの谷が同じ深さで、それを結ぶ水平な直線が複接線になります。

押さえるところ

極値は 個か 個。 個にはなりません。
変曲点は 個か 個です。
点で接する直線を、複接線といいます。
差を とおくと、係数比較で求まります。
偶関数の 次では、複接線が水平になります。

次関数にはない現象なので、 次特有の問題として出ます。重解を つ作る、という発想を覚えておくと手が動きます。

参考文献

Quartic function - Wikipedia
Derivatives and the Shape of a Graph - Calculus Volume 1, OpenStax
Tangente - Wikipedia(ドイツ語)
係数を動かすと $\mathrm{W}$ の形と $\mathrm{U}$ の形が入れかわり、極値が 3 個から 1 個になります。2 個にはなりません。$x^4-4x^2$ では 1 本の直線が 2 つの谷の底に同時に触れ、それが複接線。差を $(x-\alpha)^2(x-\beta)^2$ とおいて係数を比べると $y = -4$ が出ます。3 次関数では起こらない、4 次特有の現象です。