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第 n 次導関数を帰納法で決める|三角関数と分数関数の型

回微分した式を求めるとき、いきなり一般形は出ません。何回か手で計算し、規則を見つけ、帰納法で確かめます[1]。

で試します。 と書き直して、順に微分していきます。

符号が交互に変わり、係数が と増えます。これは階乗の並びです。

微分するたびに、曲線が軸をまたいで反転します。値の大きさも急に増えていく。

一般形を予想する

つの特徴を式にまとめます。符号は 、係数は 、指数は 。

のときも となり、つじつまが合います。 とする約束が効いています。

帰納法で確かめる

予想は予想のままでは答案になりません。数学的帰納法で 段階に分けて示します。

のとき、右辺は です。実際の計算と一致します。

で成り立つとします。両辺をもう一度微分します。

の形になりました。指数から出てきた が、符号と階乗の両方を進めています。

例:対数関数の n 階

は 回微分すると です。あとは前の結果を つずらすだけ。

で 、 で 。符号の指数が になるところが、 との違いです。

例:三角関数の n 階

は 回で元に戻ります[2]。角を進める形に書くと、 を場合分けせずに済みます。

も同じ形です。 となります。

で割った余りによる場合分けでも書けますが、 通り並べることになります。角を進める書き方のほうが短い。

例:積の形が残る場合

を微分していきます。積の公式を使います。

が残り、括弧の中の定数だけが ずつ増えます。予想は次のとおり。

帰納法で確かめます。 を微分すると 。これで の形。

の第 次導関数はどれか。

__RESULT__

の結果で を に替えた形です。内側の微分が なので、合成関数による余分な係数は出ません。

漸化式で表す形

一般形が書けないときは、 と の関係だけを出します。

で試します。順に微分すると、 の前に 次式が残る形が続きます。

で 、 で 。どちらも手の計算と合います。

係数だけを数列と見れば、漸化式が立ちます。 のような形に落として解く問題も出ます。

回ぶん並べると、変わっているところが か所だと分かります。予想を立てる作業は、この見比べです。

帰納法の書き方

答案では つを順に書きます。省くと減点されます。

のとき成り立つことを、実際の計算で示します。
で成り立つと仮定します。
仮定した式を微分し、 の形になることを示します。

微分の帰納法では、 番目が計算そのものです。仮定の式を微分するだけで、次の形が出てくる。

について、 はどれか。

__RESULT__

を で割ると余りが です。 と 回進んだ位置なので 。角を進める式でも となります。

よく出る形をそろえる

の 階は [3]。
の 階は 。
の 階は 。
の 階は 。
の 階は 。

符号が交互に変わるか、階乗が出るか、角が進むか。この つの型を知っていれば、たいていの問題は予想が立ちます。

参考文献

The Derivative as a Function - Calculus Volume 1, OpenStax
Derivatives of Trigonometric Functions - Calculus Volume 1, OpenStax
Dérivées usuelles - Wikipédia(フランス語)
$1/x$ を順に微分すると、符号が交互に変わり係数が $1, 2, 6$ と階乗で増えます。何回か手で計算して規則を見つけ、$(-1)^n n!/x^{n+1}$ と予想し、帰納法で確かめる流れをたどります。$\log x$、$\sin x$、$xe^x$ の型も並べました。一般形が書けないときは $f^{(n)}$ と $f^{(n+1)}$ の漸化式に落とす。答案で省けない 3 段の書き方も示します。