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無理関数のグラフ|半円と横向きの放物線を見分ける

根号の中に が入った関数を、無理関数といいます。 と では、形がまったく違います。

見分け方は、両辺を 乗してみることです。ただし という条件が付きます。

左は横向きの放物線の上半分、右は半円です。どちらも 乗すると、上下対称な曲線に戻ります。

薄い線は捨てたほうの半分。根号は正の値だけを返すので、上側だけが残ります。

2 乗して形を見る

の両辺を 乗すると です。 と を入れかえれば 。

つまり放物線を横に倒した形になります。定義域は 、値域は 。

なら 、つまり 。半径 の円の上半分です。

乗する操作は、情報を捨てます。戻すときに を書き添えないと、要らない半分が混ざる。

微分と端の様子

の導関数は でした[1]。 で発散します。

原点では接線が縦を向きます。定義域の端で、微分できない点になる。

でも同じことが起こります。合成関数の微分で計算します。

で分母が に近づき、傾きが発散します。円の左右の端で、接線が縦を向く形です。

左右の端で接線が縦、頂上で横。 の分子と分母が、それぞれの様子を決めています。

例:積の形を調べる

を扱います。定義域は 。

積の微分と合成の微分を組み合わせます。

分母は正なので、符号は分子で決まります。 が極値の位置です。

で極大、値は 。原点について対称な形になります。

両端の では、接線が縦を向きます。無理関数では、端の様子を必ず確かめます。

例:漸近線をもつ形

は、双曲線の上半分です。 と書き直せます。

で 、 で 。漸近線は と になります[2]。

の極限を計算すると です。有理化すると になり、 に近づきます。

が表すグラフはどれか。

  • 円全体
  • 半径 の円の上半分
  • 横向きの放物線
__RESULT__

乗すると ですが、根号の値は 以上です。 の部分だけが残り、上半円になります。

定義域を先に決める

根号の中が 以上、という条件から定義域が出ます。ここを飛ばすと、あとの計算がすべて無駄になる。

なら または 。 つの区間に分かれます。

分母に根号があるときは、 を除きます。 の定義域は で、端を含みません。

の極大値はどれか。

__RESULT__

から で極大です。値は 。

押さえるところ

乗して形を見ます。放物線か、円か、双曲線か。
戻すときに を書き添えます。半分だけが残ります。
定義域は、根号の中が 以上という条件から出します。
微分は合成関数の公式で計算します。分母に根号が残る形になります。
定義域の端では、接線が縦を向くことが多い。増減表の端を確かめます[3]。

根号を見たら、まず 乗と定義域。この つを先に済ませると、あとは増減表の作業になります。

参考文献

Derivatives of Inverse Functions - Calculus Volume 1, OpenStax
Limits at Infinity and Asymptotes - Calculus Volume 1, OpenStax
The Derivative as a Function - Calculus Volume 1, OpenStax
$2$ 乗すると $y = \sqrt{x}$ は横向きの放物線、$y = \sqrt{4-x^2}$ は円になります。根号は $0$ 以上の値だけを返すので、残るのは上半分だけ。端で接線が縦を向く様子も図にしました。$y = x\sqrt{1-x^2}$ の増減は分子 $1-2x^2$ の符号で決まり、$\sqrt{x^2+1}$ には $y = \pm x$ の漸近線が現れます。