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1 次分数関数のグラフが「反比例の平行移動」になる理由

の形を 次分数関数といいます[1]。分子と分母がどちらも 次式です。

割り算をすると、正体が見えます。分子を分母で割り、商と余りに分けます。

を縦横に伸ばし、平行移動しただけの形です。反比例のグラフが土台になっています。

曲線の形はまったく変わりません。横へ、そして縦へ、位置だけがずれていきます。

破線が漸近線です。移動と一緒に動き、交点が曲線の中心になります。

例:割り算で形を出す

を変形します。分子を分母で割ります。

を、横に 、縦に ずらした形です。漸近線は と 。

分子に分母の倍数を作る、という変形です。 から を作り、余りを足す。

漸近線と対称の中心

一般形での漸近線は、係数から直接読めます[1]。

縦の漸近線は分母が になる位置、横の漸近線は での行き先です[2]。

本の交点が、グラフの対称の中心になります。その点について 度回すと、もとの形に重なる[1]。

青い点が中心です。曲線は 本の破線にはさまれ、その交点について対称になっています。

微分すると符号が決まる

商の微分で計算します。分子がきれいにまとまります[1]。

分母は 乗なので、符号は だけで決まります。 に依存しません。

なら、定義域のどの区間でも増加。負なら、どこでも減少します。

例:符号を確かめる

で計算します。、、、。

負なので、この関数は減少です。変形した を微分しても となり、同じ結果になります。

のときは、分子と分母が比例します。約分すると定数になり、分数関数ではなくなる[1]。

極値がない

は になりません。分子が定数だからです。したがって極大も極小も現れません。

グラフは つの部分に分かれ、それぞれで単調に増えるか減るかします。 つの区間の中で向きが変わることはない。

「全体で単調」とは言えません。 で切れているので、区間ごとに考えます[3]。

の漸近線はどれか。

  • と
  • と
  • と
__RESULT__

分母が になるのは 。 では分子と分母の 次の係数の比に近づくので、 です。

定義域と値域

定義域は 。値域は になります。

横の漸近線の高さには、決して届きません。近づくだけです。

逆関数を作ると、また 次分数関数になります。 と を入れかえて解くだけで、同じ形が出てきます。

が減少になる条件はどれか。

__RESULT__

導関数は です。分母は正なので、符号は分子だけで決まります。 の値には依存しません。

押さえるところ

割り算して の形に直します。
漸近線は と 。
本の交点が対称の中心です。
導関数は で、符号が一定になります。
極値はありません。区間ごとに単調です。

反比例のグラフを動かしただけ、と分かれば、増減も漸近線も暗算で出ます。まず割り算をする、という一手が要になります。

参考文献

Fonction homographique - Wikipédia(フランス語)
Limits at Infinity and Asymptotes - Calculus Volume 1, OpenStax
Derivatives and the Shape of a Graph - Calculus Volume 1, OpenStax
分子を分母で割ると $\alpha/(x-\beta) + \gamma$ の形になり、$1/x$ を動かしただけだと分かります。形が変わらず位置だけずれる様子を動かして確かめました。漸近線は $x = -d/c$ と $y = a/c$ で、その交点が対称の中心。導関数は $(ad-bc)/(cx+d)^2$ なので符号が一定で、極値は現れません。