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1 の無限大乗はなぜ e になるのか?極限を定義の形へ寄せる

は に近づき、 は限りなく大きくなります。 を何乗しても のはずなのに、答えは になりません。

底が へ近づく速さと、指数が大きくなる速さが釣り合った先に、 という値が現れます[1]。

点は右へ行くほど破線に寄りますが、なかなか届きません。 でようやく ほど[1]。

定義の形へ寄せる

の形を作れば、答えは です。中身の が に近づくことだけ確かめます。

指数が でないときは、指数法則で外へ出します。

乗の が、そのまま の肩に乗る形になります。

例:分子に係数がある場合

を計算します。 と置きかえます。

なので、式は になります。

置きかえずに、指数を と分ける書き方でも同じです。どちらでも 。

例:符号が負の場合

です。 とおくと 。

答えは です。負号は肩へ移り、逆数として現れます。

例:分数の形で与えられる場合

を計算します。まず の形に直します。

分数のままだと形が見えません。 を足した形に書き直す作業が、最初の一手になります。

の値はどれか。

__RESULT__

とおくと で、式は になります。 と見て、答えは です。

対数をとる方法

指数の形が複雑なときは、対数をとってから極限を計算します。最後に の肩へ戻します。

を で調べます。両辺の対数は次のとおり。

と を使います[2]。

なので です。積の形に分けるところが工夫になります。

e にまつわる 2 つの極限

定義から、次の つがすぐ出ます[3]。どちらも での微分係数にあたります。

です。 の対数をとった形。
です。上の式で と置きかえた形。

この つは、 の定義と行き来できます。どれか つを出発点にすれば、残りは導ける関係です。

左の定義から対数をとると真ん中、置きかえると右。 つは同じことの言い換えです。

の値はどれか。

__RESULT__

です。分母が に近づくので、全体は になります。逆数の形に気づくところが分かれ目。

つまずきやすいところ

の無限大乗を と答えてしまう誤りが多い。不定形なので、形を整えてから判断します。
の答えは 。係数が肩に乗ります。
分数のままでは形が見えません。 を足した形に書き直します。
指数が複雑なら対数をとります。最後に の肩へ戻すのを忘れないところが要注意。
と は、 で行き来できます。

の定義は、極限の問題としても微分の問題としても顔を出します。どちらから来ても同じ式に帰ってくる。

参考文献

Eulersche Zahl - Wikipedia(ドイツ語)
Derivatives of Trigonometric Functions - Calculus Volume 1, OpenStax
Derivatives of Exponential and Logarithmic Functions - Calculus Volume 1, OpenStax
底が $1$ に近づき、指数が限りなく大きくなる。その釣り合いの先に $2.718281828\ldots$ が現れます。$(1+1/n)^n$ の点が $e$ へ寄っていく遅さを目で確かめてから、$(1+2/n)^n$ や $(1-1/n)^n$ を定義の形へ寄せる手順をたどります。指数が複雑なら対数をとって計算し、最後に $e$ の肩へ戻す。$\log(1+t)/t$ と $(e^t-1)/t$ との関係も整理しました。