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方程式の実数解の個数をグラフで数える|不等式の証明にも使う

方程式 の実数解の個数は、曲線 と直線 の交点の個数です。

解を求めるのではなく、数えるだけならグラフで足ります。増減を調べて山と谷の高さを出し、直線がどこを横切るかを見る。

直線を上下に動かすと、交点の数が変わります。境目は極大値と極小値の高さ。

例:3 次方程式の解の個数

の実数解の個数を、 で場合分けします。

とおくと です。 で極大値 、 で極小値 。

または のとき、解は 個。
または のとき、解は 個。
のとき、解は 個。

が極値と一致するときだけ、接する形になります。接点は 個の解が重なったものと見なせる。

定数を分離する

文字が式の中に散らばっていると、場合分けが複雑になります。定数だけを片側に集めると見通しがよくなる。

を考えます。 は解ではないので、両辺を で割ります。

左辺は を含まない定数、右辺は だけの関数。これで、水平な直線と曲線の交点の問題に変わりました。

の導関数は です。 では で最小値 をとります。

の側では値がつねに負で、 で に近づき、 で限りなく小さくなる。

のとき、正の側で 個。
のとき、正の側で 個。
のとき、解なし。
のとき、負の側で 個。
のとき、解なし。

中間値の定理で存在を言う

解の個数を数える前に、そもそも解があることを示す場面もあります。使うのは中間値の定理です[1]。

連続な関数が区間の両端で異なる符号をとれば、その間に となる点があります。

で試します。、 なので、 と のあいだに解がある。

さらに から、この関数はつねに増加します[2]。増え続けるなら同じ値を 回とることはないので、解はちょうど 個。

存在は中間値の定理、個数は単調性。この つを組み合わせる形が定番です。

の実数解の個数はどれか。

  • 個
  • 個
  • 個
__RESULT__

の極大値は です。直線 は極大点で接するので、そこで重なる解と、右側で横切る解の合わせて 2 個になります。

不等式は差の関数で示す

を示すには、差 の最小値を調べます。

最小値が正なら、いつでも のほうが大きい。増減表を書くだけの作業に変わります。

例:対数と 1 次式を比べる

で を示します。差をとって とおきます。

で負、 で正なので、 で最小です。 なので 。

等号は のときだけ成り立ちます。 が接線 の下にある、という図の話と同じ内容です。

例:指数関数を 2 次式で下から押さえる

で を示します。差を とおきます。

で なので は増加、 から 。したがって も増加します。

なので、 では です。 段階に分けて微分するところが手順の要点になります。

解の個数を数える

定数を分離し、曲線と水平な直線の交点として見る。極値の高さが境目になる

不等式を証明する

差の関数を作り、最小値を調べる。最小値が 以上なら不等式が成り立つ

例:接する条件から係数を求める

が重なる解を持つのは、 が極値と一致するときでした。同じ考え方で係数も決められます。

と が接する を探すなら、接点で値と傾きの両方が一致する条件を書きます。

解の個数の問題と接する条件の問題は、同じ図を別の角度から見ているだけ。片方の解き方が、そのままもう片方に使えます。

で を示すとき、最初に作る関数はどれか。

__RESULT__

差をとって とおきます。 なので は増加し、 から で が出ます。

手順を整理する

文字定数があれば、片側に分離できないか試します。
分離できたら、曲線と水平な直線の交点として数えます。
極値の高さが場合分けの境目です。等号のときに接する形になります。
不等式は差の関数を作り、最小値が 以上であることを示します。
回の微分で符号が決まらないときは、もう 回微分します[3]。

解を求めずに個数だけ答える、値を計算せずに大小だけ示す。どちらも増減表があれば届く範囲です。

参考文献

Théorème des valeurs intermédiaires - Wikipédia(フランス語)
The Mean Value Theorem - Calculus Volume 1, OpenStax
Derivatives and the Shape of a Graph - Calculus Volume 1, OpenStax
$f(x) = k$ の解の個数は、曲線と水平な直線の交点の個数です。$y = x^3-3x$ に直線を上下させると、極大値 2 と極小値 $-2$ を境に交点が 1 個から 3 個へ変わります。$e^x = ax$ は定数を分離して $a = e^x/x$ の形に。存在は中間値の定理、個数は単調性で押さえる組み合わせも扱います。不等式は差の関数の最小値を調べるだけ。