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増減表はどう埋めるのか - 導関数の符号で極大と極小を見分ける

導関数の符号が正なら関数は増え、負なら減ります[1]。増減表は、この対応を 枚に整理したものです。

符号が入れかわる点で、増加と減少が切り替わります。そこが極大や極小の候補になる。符号から増減を言えるのは、平均値の定理が保証しているためです[3]。

接線の色が変わる位置が、増減の切り替わりです。 と の か所で向きが変わります。

増減表を作る手順

やることは決まっています。上から順になぞるだけ。

定義域を確かめます。分数や根号があれば、除く点を先に押さえます。
を計算し、 を解きます。
解と定義域の切れ目で数直線を区切ります。
各区間で の符号を調べます。因数分解しておくと速い。
符号から増減を書き、極値を計算して表に入れます。

符号を調べるとき、区間ごとに適当な値を つ代入すると確実です。因数の符号を数える方法でも同じ結論に届きます。

例:3 次関数の増減を調べる

を扱います[1]。まず導関数を因数分解します。

の解は と です。 では正、 では負、 では正。

極大値は 、極小値は になります。

真ん中の段が導関数の符号、下の段が関数の動きです。 を書いた列の前後で、符号が入れかわっている。

線が上がっていれば増加、下がっていれば減少。極大は上がってから下がる点、極小は下がってから上がる点です。

第 1 次導関数による判定

の点で、符号が正から負へ変わるなら極大[1]。負から正へ変わるなら極小です。

符号が変わらなければ極値ではありません。 の原点がその例で、 は両側とも正のまま。

極大になる点

の符号が正から負へ変わる。増えてきて、そこから減りはじめる

極小になる点

の符号が負から正へ変わる。減ってきて、そこから増えはじめる

は極値であるための必要条件にすぎません[2]。候補を挙げるところまでが導関数の役目です。

第 2 次導関数による判定

候補が出たあと、 の符号でも判定できます[1]。

なら下に凸なので極小、 なら上に凸なので極大です。

さきほどの なら 。 で極大、 で極小と決まります。

のときは判定できません。そのときは符号の変化を調べる第 1 の方法に戻ります。

例:判定できない場合

を調べます[1]。。

候補は と です。 を計算すると、 になります。

のほうは判定できます。 なので極小、 なので極大。

では の符号が両側とも負のままです。増減が変わらないので、極値ではありません。

の極大値はどれか。

__RESULT__

です。 で正から負へ変わるので極大で、 になります。 が極小で、値は です。

極値は必ずしも最大値ではない

極大は「まわりと比べて」いちばん高い点です[2]。区間全体で見たときの最大値とは別の概念になります。

を で考えます。極大値は ですが、、。

区間の端も候補に入れて比べる必要があります。閉じた区間での最大最小は、極値と両端の値をすべて並べて選ぶ形です。

例:分数関数の増減

を調べます。定義域は 。

商の公式から導関数を出します。

分母は正なので、符号は分子で決まります。 で極大、 で極小。

極大値が 、極小値が で、極小のほうが大きい。定義域が で切れているために、こうしたことが起こります。

について正しいものはどれか。

  • では必ず極値をとる
  • 極値をとる点の候補にすぎない
  • では必ず最大値をとる
__RESULT__

の原点では ですが、極値ではありません。 は候補を挙げる条件で、そこから符号の変化や第 2 次導関数で判定します。

気をつけるところ

定義域から外れる点を、増減表の区切りに入れ忘れないようにします。
を因数分解しておくと、符号の判定が速くなります。
分母が 乗の形なら符号は分子だけで決まります。
極大値と極小値は の値です。 の値と混同しないところが要注意。
閉区間の最大最小では、端の値も並べて比べます。

増減表が書ければ、グラフの形はほぼ決まります。あとは凹凸と漸近線を足せば、概形まで届く。

参考文献

Derivatives and the Shape of a Graph - Calculus Volume 1, OpenStax
Extremwert - Wikipedia(ドイツ語)
The Mean Value Theorem - Calculus Volume 1, OpenStax
$f'(x)$ の符号が正なら増加、負なら減少。切り替わる点が極値の候補になります。$x^3-3x^2-9x-1$ を例に、導関数を因数分解して符号を追い、増減表の 3 段がどう埋まるかを図で示しました。第 2 次導関数による判定と、$x^5-5x^3$ のように判定できない場合の戻り方も。$f'(c)=0$ が候補にすぎないこと、閉区間では端の値も比べることまで押さえます。