定義の式に代入して h を消す(数学Ⅲの導関数を定義から求める)
公式を使わずに を微分すると、 になります。 を に近づけて 。
これが導関数の定義です[1]。分母の が消える形まで分子を変形できれば、あとは代入するだけになります。
分母の h をどう消すか
分子と分母の両方が へ行くので、そのまま代入できません。分子から をくくり出して約分する必要があります。
くくり出し方は関数の形で決まります。多項式なら展開、分数なら通分、根号なら有理化、三角関数なら加法定理です。
になって値が決まらない
残った式に代入できる。これが定義から求める手順
割線が接線へ近づく
は、 点を結ぶ直線の傾きです。 を小さくすると、この直線が接線へ回っていきます[1]。
傾きの数値が へ寄っていきます。 の での接線の傾きです。
問題 1:2 次関数
定義に従って の導関数を求めよ。
解答 1
分子を展開します。 が打ち消し合い、残る項はすべて を含みます。
として です。約分してから代入するところが手順の全部になります。
問題 2:3 次関数から一般の n 乗へ
定義に従って の導関数を求め、 の場合を予想せよ。
解答 2
です。 が消えます。
でも同じです。二項定理で展開すると、 が 乗の項が 、それ以上は 以上を含みます。
割ったあと が残る項は全部消えるので、 が出ます[2]。
問題 3:分数関数
定義に従って の導関数を求めよ。
解答 3
分子を通分します。 つの分数の差が つにまとまる。
で です。
通分した瞬間に分子が になり、外の と約分されます。分数では通分が を作る操作にあたります。
問題 4:根号
定義に従って の導関数を求めよ。ただし とする。
解答 4
分子に を掛けて有理化します。分母にも同じものを掛けます。
が約分で消えました。 として です。

では が無限大へ行きます。原点で微分できないのはそのためです。
問題 5:正弦関数
定義に従って の導関数を求めよ。
解答 5
加法定理で と開きます[3]。
は既知として、 を出します。分子に を掛けます。
したがって です。
問題 6:余弦関数
定義に従って の導関数を求めよ。
解答 6
こちらも加法定理です。。
問題 で出した つの極限をそのまま使うと、。
と で符号だけが変わります。加法定理の中の符号がそのまま残った形です。
問題 7:指数関数
定義に従って の導関数を求めよ。
解答 7
指数法則で と分けます。 が外へ出ます。
なので です[4]。
この極限が になる底が の定義です。 や では 以外の定数が残り、そのぶんだけ導関数に係数が付きます。
問題 8:対数関数
定義に従って の導関数を求めよ。ただし 、底は とする。
解答 8
対数の差を つにまとめます。
と分け、指数の側へ移します。
と置くと の形になります。 の定義がそのまま効いています。
微分できるなら連続
定義から つ言えることがあります。 が存在するなら、 は で連続です[1]。
差が へ行くので、 が へ近づきます。これが連続の定義です。
逆は成り立ちません。 は で連続ですが、左右の差分商が と で食い違います。
を定義から微分するとき、分子はどう変形しますか。
- 有理化する
- 通分して分子に h を作る
- 加法定理で開く
公式を覚えたあとでも、定義に戻る場面は残ります。見慣れない極限が出たとき、それが差分商の形になっていることは多い。
の値はどれですか。
の における微分係数の形です。 なので になります。有理化して直接計算しても同じ値が出ます。
分母の を約分できる形まで分子を変形する。定義から求める計算は、この一点に尽きます。










分数の差なので通分します。(x+h)21−x21=x2(x+h)2x2−(x+h)2=x2(x+h)2−2xh−h2 となり、分子から h がくくり出せます。h で割ると x2(x+h)2−2x−h で、極限は −x32 です。