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ニュートン法 - 接線をたどって方程式の解に近づく

方程式 の解を、接線をたどって近づける方法があります[1]。

いまの点で接線を引き、その直線が 軸と交わる位置を次の点にする。それだけの手順です。

から始めて、接線を引くたびに解へ寄っていきます。 回で小数第 位まで合う。

式の作り方

点 での接線を書きます[2]。

とおいて について解きます。それが次の点です。

曲線を接線で置きかえて解く、という発想です。近似式と同じ考え方が土台にあります[2]。

例:√2 を求める

とします。 なので、漸化式は次のようになります。

から始めます[1]。

正しい桁数が、毎回およそ倍になっています。 桁、 桁、 桁、 桁という増え方です。

棒の高さが、合っている桁数です。 回進むごとに倍になるので、数回で電卓の表示を超えます。

差を半分ずつ縮める方法と比べると、桁違いに速い。接線という 次近似を使っているのに、精度は 次で上がります。

うまくいかない場合

いつでも解に届くわけではありません[1]。

になると、接線が横向きで 軸と交わりません。そこで止まります。
出発点が悪いと、遠くの別の解に飛ぶことがあります。
つの値を行き来して、いつまでも収束しない場合もあります。
解の近くで が に近いと、収束が遅くなります。

を から始めると、 と を交互に往復します[1]。

、 なので 。、 なので 。振り出しに戻る形です。

図をかいてから始める

出発点の選び方が結果を左右します。解のおおよその位置を、グラフか中間値の定理で押さえておく。

と の符号が違えば、そのあいだに解があります。その区間の中から出発点を選ぶと、外しにくい。

の符号が変わらない区間を選ぶのも有効です。増減が一方向なら、行き先が つに決まります。

にニュートン法を当てたときの漸化式はどれか。

__RESULT__

なので です。通分して整理すると、 と の平均になります。

極限として見る

の形なので、漸化式の極限として扱えます。行き先は を満たす値です[3]。

を解くと 。求めたかった値そのものが出ます。

平均値の定理で差を評価する方法も使えます。ただしニュートン法では、差が 乗で縮むという、もっと強い評価が成り立ちます。

ニュートン法で になると、どうなるか。

  • 解が求まる
  • 接線が横向きで、次の点が決まらない
  • 収束が速くなる
__RESULT__

接線の傾きが だと、 軸と交わりません。式のうえでも分母が になり、計算が続けられなくなります。

押さえるところ

接線の 切片を、次の点にする方法です。
式は 。
正しい桁数が 回ごとに倍になります。
が になる点や、悪い出発点では失敗します。
出発点は、グラフか符号の変化で見当をつけてから選びます。

電卓の平方根キーの中身も、これに近い計算です。接線という単純な道具で、これだけの精度が出ることが面白いところ。

参考文献

Newton's Method - Calculus Volume 1, OpenStax
Linear Approximations and Differentials - Calculus Volume 1, OpenStax
The Mean Value Theorem - Calculus Volume 1, OpenStax
接線を引き、$x$ 軸と交わる位置を次の点にする。それだけで $x_{n+1} = x_n - f(x_n)/f'(x_n)$ が出ます。$x^2-2$ に当てると 4 回で小数第 9 位まで合う様子を動かして見ます。正しい桁数が毎回およそ倍になる速さも図に。$f'=0$ で止まる場合や、2 つの値を往復して収束しない場合の見分け方まで扱いました。