両辺の対数をとると指数が下りてくる - 対数微分法と x の x 乗
には、使える公式がありません。 は指数が定数、 は底が定数。どちらも底と指数の両方に がある形を扱えません[3]。
両辺の対数をとると、指数が前へ下りてきます。
右辺はただの積になりました。あとは両辺を微分して、最後に を掛け戻すだけです。
3 つの手順
やることは決まっています。対数をとり、微分し、 を掛け戻す[1]。
左辺 を で微分すると、合成の規則から になります[2]。ここが仕掛けの中心です。

問題 1:x の x 乗
()を微分せよ。
解答 1
対数をとると 。右辺は積なので、積の規則で微分します。
両辺に を掛けます。
になるのは 、つまり のときです[3]。そこが最小値になります。
最小値は で、 ほどです。
では に近づきますが、 が へ行くので傾きは立ちます[3]。
問題 2:指数に三角関数
()を微分せよ。
解答 2
です。右辺は積なので、積の規則を当てます。
を掛け戻します。
をそのまま前に置くだけ。展開する必要はありません。
問題 3:底に三角関数
()を微分せよ。
解答 3
です。右辺の第 因子が合成になります。
なので、次のようにまとまります。
底と指数のどちらに が入っていても、手順は変わりません。
問題 4:因子が多い積と商
を微分せよ。
解答 4
商と積の公式で押すと、分子が 次まで膨らみます。対数をとると和と差に割れます。
各項を微分すると、分母が 次式の分数が並ぶだけになります。
指数がそのまま係数に落ちます。因子が つ以上あるときは、この道のほうが速い。
問題 5:根号の中の分数
()を微分せよ。
解答 5
乗と見て対数をとります。根号も商も、対数の中では和と差になります。
微分して通分します。
を掛け戻して終わりです。根号のまま合成と商を当てると、途中式が何倍にも長くなります。
問題 6:指数が x 分の 1
()を微分せよ。
解答 6
です。右辺は商なので、商の規則を当てます。
したがって 。
は のときで、 が極大です。 が の最大値になります。
対数微分の正体
という量には名前があります。 を微分したものです[3]。
これを裏返すと、。関数そのものと、その対数の傾きの積として微分が書けます。
掛け算が 対数の中では足し算 になることが、この方法の全部です。
積と商が和と差に、累乗が定数倍に落ちる。だから因子が多いほど得をする。
問題 7:積の公式を対数から導く
対数微分法を使って、積の微分公式 を導け。
解答 7
の両辺の対数をとります。積が和に割れます。
微分すると です。 を掛け戻します。
積の公式が出ました。商の場合は から始めれば、同じ手順で になります。
絶対値をつけるかどうか
の中は正でなければなりません。 が負になりうるときは とします。
が でも成り立つので、微分した式の形は変わりません。
底と指数の両方に がある形では、そもそも が前提です。この場合は絶対値が要りません。
上のどれかに当たったら、対数をとる道を先に考えます。
を微分するとき、 としてよいですか。
- よい。 の公式にあたる
- だめ。指数が定数でないので使えない
- だめ。底が定数でないので使えない
もう 問、掛け戻しを確かめます。
対数微分法で まで出ました。次にすることはどれですか。
- 両辺を で割る
- 両辺に を掛け、 をもとの式に戻す
- そのまま答えとする
とし、 を代入して にします。 を掛けただけで止めると、答えの中に が残ったままになる。もとの式へ戻すところまでが手順です。
対数をとって和に割り、微分して、掛け戻す。指数に が入っている形は、この 段で全部片づきます。












xα の公式は指数 α が定数のときの式です。xx は指数も x なので当てはまりません。ax の公式も底が定数のときの式なので、こちらも使えない。両方が外れるため、対数をとる道になります。