y=arcsin⁡xy = \arcsin x

逆正弦 y=arcsin⁡xy = \arcsin x

arcsin⁡x\arcsin x(逆正弦、アークサイン)は、正弦関数 sin⁡\sin の逆関数です1。sin⁡\sin は周期関数なので全区間では一対一になりません。そこで単調に増加する区間 [−π2,π2]\left[-\dfrac{\pi}{2}, \dfrac{\pi}{2}\right] に制限し、その逆関数(主値)を arcsin⁡\arcsin と定めます。

定義

y=arcsin⁡xy = \arcsin x は、次の 22 つを同時に満たす yy です。

  • sin⁡y=x\sin y = x
  • −π2≤y≤π2-\dfrac{\pi}{2} \leq y \leq \dfrac{\pi}{2}

定義域と値域

定義域は区間 [−1,1][-1, 1] です。sin⁡\sin の値が −1-1 から 11 までしかとらないためです。値域は区間 [−π2,π2]\left[-\dfrac{\pi}{2}, \dfrac{\pi}{2}\right] になります。

対称性と増減

arcsin⁡(−x)=−arcsin⁡x\arcsin(-x) = -\arcsin x が成り立つ奇関数で、グラフは原点対称です。導関数は次のとおりです。

ddxarcsin⁡x=11−x2(−1<x<1)\frac{d}{dx}\arcsin x = \frac{1}{\sqrt{1 - x^2}} \quad (-1 < x < 1)

つねに正なので、定義域全体で単調に増加します。

特徴的な値

xxarcsin⁡x\arcsin x
−1-1−π2-\dfrac{\pi}{2}
0000
12\dfrac{1}{2}π6\dfrac{\pi}{6}
22\dfrac{\sqrt{2}}{2}π4\dfrac{\pi}{4}
32\dfrac{\sqrt{3}}{2}π3\dfrac{\pi}{3}
11π2\dfrac{\pi}{2}

端点での接線

両端 x=±1x = \pm 1 では導関数の分母が 00 に近づくため傾きが限りなく大きくなり、接線は垂直になります。もとの sin⁡\sin が x=±π2x = \pm\dfrac{\pi}{2} で水平な接線をもつことが、逆関数では垂直な接線として現れます。原点付近では arcsin⁡x≈x\arcsin x \approx x です。

逆余弦との関係

arcsin⁡x+arccos⁡x=π2\arcsin x + \arccos x = \frac{\pi}{2}

つまり両者を足すとつねに直角になります。arcsin⁡\arcsin が増える分だけ arccos⁡\arccos が減るので、和は動きません。

級数展開

原点のまわりの展開は次のようになり、区間 [−1,1][-1, 1] で収束します。

arcsin⁡x=x+x36+3x540+⋯\arcsin x = x + \frac{x^3}{6} + \frac{3x^5}{40} + \cdots

応用

  • 正弦の値から角度を求める逆問題
  • 単振動や波動の位相の計算
  • 三角形の解法(正弦定理から角を求める)
  • 積分 ∫dx1−x2=arcsin⁡x+C\int \frac{dx}{\sqrt{1 - x^2}} = \arcsin x + C
  1. Inverse trigonometric functions、Wikipedia