y=cothxy = \coth x

双曲線余接関数 y=cothxy = \coth x のグラフ

双曲線余接関数 y=cothxy = \coth x は、双曲線余弦と双曲線正弦の比、すなわち双曲線正接の逆数として次のように定義されます。

cothx=coshxsinhx=1tanhx=ex+exexex\coth x = \frac{\cosh x}{\sinh x} = \frac{1}{\tanh x} = \frac{e^x + e^{-x}}{e^x - e^{-x}}

「ハイパボリックコタンジェント」と読み、三角関数の余接 cotx\cot x に対応する双曲線関数です。

定義域と値域

分母の sinhx\sinh xx=0x = 0 でのみ 00 になります。したがって cothx\coth xx=0x = 0 を除くすべての実数、x0x \neq 0 で定義されます。値は必ず 11 より大きいか 1-1 より小さくなり、値域は (,1)(1,)(-\infty, -1) \cup (1, \infty)、すなわち y>1|y| > 1 です。1y1-1 \leq y \leq 1 の値はとりません。

対称性

coth(x)=cothx\coth(-x) = -\coth x が成り立つため、cothx\coth x は奇関数であり、グラフは原点に関して点対称です。

増減と単調性

導関数は ddxcothx=csch2x=1coth2x\dfrac{d}{dx}\coth x = -\operatorname{csch}^2 x = 1 - \coth^2 x です。これは定義域全体でつねに負であるため、cothx\coth xx>0x > 0 の枝でも x<0x < 0 の枝でも、それぞれ狭義単調減少します。

漸近線と極限

x=0x = 0 は垂直漸近線です。x0+x \to 0^+ では cothx+\coth x \to +\inftyx0x \to 0^- では cothx\coth x \to -\infty となります。また x+x \to +\inftycothx1\coth x \to 1xx \to -\inftycothx1\coth x \to -1 に近づくため、直線 y=1y = 1y=1y = -1 が水平漸近線です。グラフは原点を挟んで上下に分かれた二つの枝からなります。

特徴的な点

x=0x = 0 で定義されないため、原点を通りません。右の枝は x0+x \to 0^+++\infty から下降して y=1y = 1 に近づき、左の枝は y=1y = -1 から下降して x0x \to 0^--\infty に至ります。tanhx\tanh x とは逆に、原点近くで発散し遠方で ±1\pm 1 に収束するのが特徴です。

他の関数との関係

定義から cothx=1tanhx\coth x = \dfrac{1}{\tanh x} であり、tanhx\tanh x の逆数です。恒等式 coth2xcsch2x=1\coth^2 x - \operatorname{csch}^2 x = 1 も成り立ちます。

応用

cothx\coth x は物理でしばしば登場します。たとえば統計力学では、常磁性体の磁化を表すランジュバン関数 L(x)=cothx1xL(x) = \coth x - \dfrac{1}{x} の一部として、またプランクの黒体放射やアインシュタインの比熱模型に関連する式のなかにも現れます。