y=x−⌊x⌋ 小数部の関数 y=x−⌊x⌋ のグラフ(のこぎり波)
y=x−⌊x⌋ は x の小数部(fractional part)を取り出す関数で、しばしば {x} と書かれます。x から「x を超えない最大の整数」である床関数 ⌊x⌋ を引くので、整数部分が取り除かれて小数の部分だけが残ります。
- 2.3−⌊2.3⌋=2.3−2=0.3
- 5−⌊5⌋=5−5=0
- −1.2−⌊−1.2⌋=−1.2−(−2)=0.8
負の数では床関数が下側の整数を返すため、結果はつねに 0 以上になります。−1.2 の小数部が 0.8 になる点は直感と少しずれるので注意してください。
定義域と値域:定義域はすべての実数で、値域は 0≤y<1、つまり区間 [0, 1) です。値が 1 に達することはありません。
周期性と形:この関数は周期 1 をもち、{x+1}={x} が成り立ちます。各整数区間 [n, n+1) の上では傾き 1 の直線 y=x−n になり、x=n で 0 から始まってまっすぐ上がり、次の整数の直前で 1 に近づきます。この形が繰り返されるため、グラフはのこぎり波(sawtooth wave)と呼ばれます。
不連続点とジャンプ:関数はすべての整数で不連続です。整数 n に左から近づくと値は 1 に近づきますが、x=n では 0 にリセットされます。したがってジャンプの幅は −1 で、天井へ届く直前に床へ落ちる動きを繰り返します。各段の左端(整数点)は値 0 で含まれ、右端は含まれません(右連続)。
他の関数との関係:小数部は床関数から作られ、x−⌊x⌋ は「x を 1 で割った余り」xmod1 とも一致します。x が整数のときだけ床関数と x が等しくなり、値が 0 になります。
応用:のこぎり波は音のシンセサイザーのオシレータや、位相を 0 から 1(または 0 から 2π)へ繰り返し進める位相アキュムレータなど、周期的な現象のモデルとして信号処理で広く使われます。フーリエ級数の題材としても有名です。