y=x−⌊x⌋y = x - \lfloor x \rfloor

小数部の関数 y=x−⌊x⌋y = x - \lfloor x \rfloor のグラフ(のこぎり波)

y=x−⌊x⌋y = x - \lfloor x \rfloor は xx の小数部を取り出す関数で、しばしば {x}\{x\} と書かれます1。xx から「xx を超えない最大の整数」である床関数 ⌊x⌋\lfloor x \rfloor を引くので、整数部分が取り除かれて小数の部分だけが残ります。

xx⌊x⌋\lfloor x \rfloorx−⌊x⌋x - \lfloor x \rfloor
2.32.3220.30.3
555500
−1.2-1.2−2-20.80.8

負の数では床関数が下側の整数を返すため、結果はつねに 00 以上になります。−1.2-1.2 の小数部が 0.80.8 になる点は直感と少しずれるので注意してください。

定義域と値域

定義域はすべての実数で、値域は 0≤y<10 \leq y < 1 です。値が 11 に達することはありません。

周期性と形

この関数は周期 11 をもち、{x+1}={x}\{x + 1\} = \{x\} が成り立ちます。各整数区間の上では傾き 11 の直線になります。

y=x−n(n≤x<n+1)y = x - n \quad (n \leq x < n+1)

x=nx = n で 00 から始まってまっすぐ上がり、次の整数の直前で 11 に近づきます。この形が繰り返されるため、グラフはのこぎり波と呼ばれます。

不連続点と跳び

関数はすべての整数で不連続です。整数 nn に左から近づくと値は 11 に近づきますが、x=nx = n では 00 にリセットされます。したがって跳びの幅は −1-1 で、天井へ届く直前に床へ落ちる動きを繰り返します。各段の左端は値 00 で含まれ、右端は含まれません。

床関数が右連続だったことが、そのままこの関数にも移っています。

他の関数との関係

  • 小数部は床関数から作られ、x mod 1x \bmod 1 とも一致する
  • xx が整数のときだけ値が 00 になる
  • ⌊x⌋=x−{x}\lfloor x \rfloor = x - \{x\} と書けば、床関数を小数部から復元できる

フーリエ級数

整数以外の点では、次の級数で表されます。

x−⌊x⌋=12−1π∑n=1∞sin⁡(2πnx)nx - \lfloor x \rfloor = \frac{1}{2} - \frac{1}{\pi}\sum_{n=1}^{\infty}\frac{\sin(2\pi n x)}{n}

定数項 12\dfrac{1}{2} は 11 周期の平均の高さです。方形波と違って偶数次の倍音も現れ、係数は 1n\dfrac{1}{n} で減っていきます。跳びをもつ波形なので収束は遅く、部分和にはギブス現象が現れます。

応用

  • シンセサイザーのオシレータ波形
  • 位相を 00 から 11 へ繰り返し進める位相アキュムレータ
  • 剰余をとる計算一般

倍音をすべて含むため音色が明るく、フィルタで削って音を作る減算合成の出発点としてよく使われます。

  1. Sawtooth wave、Wikipedia