指数関数 y=ex のグラフ
y=ex は、ネイピア数 e=2.71828… を底とする指数関数です。自然指数関数と呼ばれ、微分しても形が変わらないという、他にない性質をもっています。
定義域と値域
定義域はすべての実数で、値域は y>0 です。ex は決して 0 にも負にもなりません。
微分しても変わらない
導関数は関数自身と同じです。
つねに正なので単調に増加し、二階導関数 y′′=ex も正なのでグラフは全体が下に凸です。ある点での値がそのままその点での増加の速さになっているので、大きくなるほど速く増えます。y′=y かつ y(0)=1 を満たす関数は ex ただ 1 つで、これが ex の定義といってもよい性質です。
漸近線と極限
x→−∞ では ex→0 となり、x 軸(直線 y=0)が水平漸近線です。値はつねに正なので、曲線は上側から近づきます。x→+∞ では +∞ に発散し、その速さはどんな多項式よりも上です。
x→∞limexxn=0 どんな n に対してもこれが成り立ちます。
特徴的な点
(0,1)、(1,e)≈(1,2.718)、(−1,e−1)≈(−1,0.368) を通ります。点 (0,1) での接線は傾き 1 の直線 y=x+1 で、原点付近ではこの直線とほとんど重なります。
級数による表示
ex は次の無限級数で表せます。
ex=1+x+2!x2+3!x3+⋯ 各項を微分すると 1 つ前の項に戻るので、微分しても全体が変わらないことがこの形からも読み取れます。
他の関数との関係
逆関数は自然対数 lnx で、2 つのグラフは直線 y=x に関して線対称です。
| 関係 | 式 |
|---|
| 任意の指数関数 | ax=exlna |
| 双曲線余弦 | coshx=2ex+e−x |
| 双曲線正弦 | sinhx=2ex−e−x |
| オイラーの公式 | eiθ=cosθ+isinθ |
どんな指数関数も ex を横方向に伸縮したものにすぎません。虚数まで広げると、指数関数と三角関数がつながります。
応用
変化の速さが現在の量に比例する現象、すなわち微分方程式 y′=ky の解が y=Cekx です。k>0 なら人口の増加や複利による資産の増え方、k<0 なら放射性崩壊や熱の冷めていく速さ(ニュートンの冷却法則)、コンデンサの放電を表します。自然界で増える・減るを語るとき、最初に現れる関数です。