y=sgn(sinx) 方形波 y=sgn(sinx) のグラフ
y=sgn(sinx) は、正弦 sinx の符号だけを取り出した関数で、値が +1 と −1 を交互に繰り返す方形波(矩形波)を表します1。
定義
符号関数は次で定義されます。
sgn(t)=⎩⎨⎧+10−1(t>0)(t=0)(t<0) これを t=sinx に適用したものが本関数です。
定義域と値域
定義域はすべての実数で、値域は −1、0、+1 の 3 つの値だけです。
| 区間 | sinx | y |
|---|
| 0<x<π | 正 | +1 |
| x=nπ | 0 | 0 |
| π<x<2π | 負 | −1 |
周期性と対称性
周期は sinx と同じ 2π です。また sgn(sin(−x))=−sgn(sinx) が成り立つので、原点に関して点対称な奇関数です。
不連続点
x=nπ ごとに値が +1 と −1 の間で不連続に跳びます。跳びの大きさは 2 で、その瞬間の値は 0 です。sinx のなめらかな波とは対照的に、水平な線分と垂直な跳びだけからなる形になります。
1 周期のうちに跳びが 2 回あり、それ以外の場所では導関数が 0 です。傾きをもたないまま値だけが切り替わる、階段関数の仲間らしい構造です。
フーリエ級数
方形波は奇数次の正弦の和で表せます。
sgn(sinx)=π4k=0∑∞2k+1sin((2k+1)x) 係数が 2k+11 でしか減らないため収束は遅く、よい近似には多くの項が必要です。有限項で近似すると跳びの付近で行き過ぎが残り、これはギブス現象と呼ばれます2。項数を増やしても行き過ぎの高さは約 9% のまま消えず、幅だけが狭くなっていきます。
| 波形 | 現れる倍音 | 係数の減り方 |
|---|
| 方形波 | 奇数次 | n1 |
| 三角波 | 奇数次 | n21 |
跳びをもつ波形は係数の減りが遅く、角だけをもつ波形は速い、という一般則が見てとれます。
応用
- デジタル回路のクロック信号
- オンオフ制御
- パルス幅変調(PWM)
- 電子音の合成
- Square wave、Wikipedia
- Gibbs phenomenon、Wikipedia