y=sgn(sinx)y = \operatorname{sgn}(\sin x)

方形波 y=sgn(sinx)y = \operatorname{sgn}(\sin x) のグラフ

y=sgn(sinx)y = \operatorname{sgn}(\sin x) は、正弦 sinx\sin x の符号だけを取り出した関数で、値が +1+11-1 を交互に繰り返す方形波(矩形波)を表します1

定義

符号関数は次で定義されます。

sgn(t)={+1(t>0)0(t=0)1(t<0)\operatorname{sgn}(t) = \begin{cases} +1 & (t > 0) \\ 0 & (t = 0) \\ -1 & (t < 0) \end{cases}

これを t=sinxt = \sin x に適用したものが本関数です。

定義域と値域

定義域はすべての実数で、値域は 1-100+1+133 つの値だけです。

区間sinx\sin xyy
0<x<π0 < x < \pi+1+1
x=nπx = n\pi0000
π<x<2π\pi < x < 2\pi1-1

周期性と対称性

周期は sinx\sin x と同じ 2π2\pi です。また sgn(sin(x))=sgn(sinx)\operatorname{sgn}(\sin(-x)) = -\operatorname{sgn}(\sin x) が成り立つので、原点に関して点対称な奇関数です。

不連続点

x=nπx = n\pi ごとに値が +1+11-1 の間で不連続に跳びます。跳びの大きさは 22 で、その瞬間の値は 00 です。sinx\sin x のなめらかな波とは対照的に、水平な線分と垂直な跳びだけからなる形になります。

11 周期のうちに跳びが 22 回あり、それ以外の場所では導関数が 00 です。傾きをもたないまま値だけが切り替わる、階段関数の仲間らしい構造です。

フーリエ級数

方形波は奇数次の正弦の和で表せます。

sgn(sinx)=4πk=0sin((2k+1)x)2k+1\operatorname{sgn}(\sin x) = \frac{4}{\pi}\sum_{k=0}^{\infty}\frac{\sin\bigl((2k+1)x\bigr)}{2k+1}

係数が 12k+1\dfrac{1}{2k+1} でしか減らないため収束は遅く、よい近似には多くの項が必要です。有限項で近似すると跳びの付近で行き過ぎが残り、これはギブス現象と呼ばれます2。項数を増やしても行き過ぎの高さは約 9%9\% のまま消えず、幅だけが狭くなっていきます。

波形現れる倍音係数の減り方
方形波奇数次1n\dfrac{1}{n}
三角波奇数次1n2\dfrac{1}{n^{2}}

跳びをもつ波形は係数の減りが遅く、角だけをもつ波形は速い、という一般則が見てとれます。

応用

  • デジタル回路のクロック信号
  • オンオフ制御
  • パルス幅変調(PWM)
  • 電子音の合成
  1. Square wave、Wikipedia
  2. Gibbs phenomenon、Wikipedia