y=sechx 双曲線正割関数 y=sechx のグラフ
双曲線正割関数 y=sechx は、双曲線余弦の逆数として定義されます1。
sechx=coshx1=ex+e−x2 「ハイパボリックセカント」と読み、三角関数の正割 secx に対応する双曲線関数です。
定義域と値域
- 定義域はすべての実数
- 値域は半開区間 (0,1]
- 最大値 1 を x=0 でとる
- 偶関数
分母の coshx はつねに 1 以上で 0 にならないため、すべての実数で定義されます。coshx≥1 より値は 1 以下に収まり、0 には到達しません。secx が漸近線をもち ∣y∣≥1 だったのとは正反対で、こちらは有界でなめらかです。
対称性
coshx が偶関数なので、その逆数である sechx も偶関数です。グラフは y 軸に関して線対称になります。
増減と最大点
導関数は dxdsechx=−sechxtanhx です。sechx は正なので符号は −tanhx で決まり、x<0 で増加、x>0 で減少します。最大点は (0,1) です。
漸近線と減衰
x→±∞ のとき coshx→∞ なので sechx→0 となり、x 軸が水平漸近線です。ただし値はつねに正なので、曲線は上側から 0 に近づきます。
遠方では coshx≈2e∣x∣ なので、次のように指数的に減衰します。
sechx≈2e−∣x∣ | x | sechx |
|---|
| 0 | 1 |
| 1 | ≈0.6481 |
| 2 | ≈0.2658 |
| 3 | ≈0.0993 |
左右対称で中央が盛り上がり、両側へなめらかに減衰していく釣鐘型の曲線です。正規分布の密度関数にも似た形ですが、裾の減衰は指数的で、ガウス関数ほど急ではありません。
恒等式
cosh2x−sinh2x=1 の両辺を cosh2x で割ると、次が得られます。
1−tanh2x=sech2x 右辺は tanhx の導関数と一致します。三角関数の 1+tan2x=sec2x と、符号だけが違う対応になっています。
応用
なめらかな釣鐘型は、非線形波動を記述する方程式のソリトン解に現れます2。孤立波の波形は sech や sech2 の形で表されます。
- KdV 方程式や非線形シュレーディンガー方程式のソリトン
- 光ファイバー中を形を変えずに進む光パルス
- 浅い水面を進む孤立波
- Hyperbolic functions、Wikipedia
- Soliton、Wikipedia