sin と cos の関係

y=sin⁡xy = \sin x と y=cos⁡xy = \cos x のグラフは、形がまったく同じで、横にずれているだけです。その関係を式で確かめます。

平行移動

cos⁡x\cos x は、sin⁡x\sin x を左へ π2\dfrac{\pi}{2} だけ平行移動したものです。

cos⁡x=sin⁡(x+π2)\cos x = \sin\left(x + \frac{\pi}{2}\right)

グラフを左へ π2\dfrac{\pi}{2} ずらすと xx を x+π2x + \dfrac{\pi}{2} に置きかえることにあたり、sin⁡\sin の山が cos⁡\cos の山にちょうど重なります。一般に y=f(x−a)y = f(x - a) はグラフを右へ aa ずらした形なので、+π2+\dfrac{\pi}{2} は左へのずれになります。符号が逆に見えるところなので注意してください。

山の位置で確かめる

関数最大値をとる xx零点
y=sin⁡xy = \sin xπ2+2nπ\dfrac{\pi}{2} + 2n\pinπn\pi
y=cos⁡xy = \cos x2nπ2n\piπ2+nπ\dfrac{\pi}{2} + n\pi

cos⁡\cos の山は sin⁡\sin の山より π2\dfrac{\pi}{2} だけ左にあり、これがちょうど平行移動の量です。零点も同じだけずれています。

単位円で見る

この関係は単位円を見るといちばんはっきりします。単位円上の点で、cos⁡\cos は横の座標、sin⁡\sin は縦の座標でした。角を π2\dfrac{\pi}{2} 進めることは点を 90∘90^\circ 回すことなので、いまの縦の座標が次の横の座標に移ります。だから次が成り立ちます。

sin⁡(θ+π2)=cos⁡θ\sin\left(\theta + \frac{\pi}{2}\right) = \cos\theta

微分に現れるずれ

(sin⁡x)′=cos⁡x(\sin x)' = \cos x ですから、微分は「波を π2\dfrac{\pi}{2} 左にずらす操作」だと読めます。

微分の回数結果ずれの合計
11cos⁡x\cos xπ2\dfrac{\pi}{2}
22−sin⁡x-\sin xπ\pi
33−cos⁡x-\cos x3π2\dfrac{3\pi}{2}
44sin⁡x\sin x2π2\pi

44 回微分すると 2π2\pi ぶんずれて元に戻る、というのもこの見方と合っています。

逆向きの表し方

同じように次のようにも書け、sin⁡\sin は cos⁡\cos を右へ π2\dfrac{\pi}{2} ずらしたものと見られます。

sin⁡x=cos⁡(x−π2)\sin x = \cos\left(x - \frac{\pi}{2}\right)

位相差

22 つの波のこのずれは位相差と呼ばれ、交流回路でコイルやコンデンサに流れる電流が電圧より π2\dfrac{\pi}{2} ずれることなど、応用でも基本の考え方です。

グラフの大きな点は、cos⁡\cos の山 (0,1)(0, 1) と sin⁡\sin の山 (π2,1)\left(\dfrac{\pi}{2}, 1\right) です。