放物線の頂点と平方完成
二次関数のグラフ(放物線)は、いちばん先の点である頂点で折り返す形をしています。y=x2−2x+3 を例に、頂点を求めましょう。
平方完成
x の 1 次の項の係数 −2 の半分は −1 で、(x−1)2=x2−2x+1 が x2−2x をふくむことを使います。
x2−2x+3=(x2−2x+1)−1+3=(x−1)2+2 (x−1)2 は 2 乗なのでつねに 0 以上で、いちばん小さくなるのは x=1 のときです。そのとき y=2 になります。よって頂点は (1,2) で、a=1>0 より下に凸なので、x=1 で最小値 2 をとります。
軸
頂点を通る縦線 x=1 は放物線の軸(対称軸)です。軸から左右に同じだけ離れた点が、同じ高さになります。
| x | y |
|---|
| −1 | 6 |
| 0 | 3 |
| 1 | 2 |
| 2 | 3 |
| 3 | 6 |
軸 x=1 から等距離の x=0 と x=2、x=−1 と x=3 が、確かに同じ値をとっています。
平行移動としての読み方
(x−1)2+2 という形からは、このグラフが y=x2 を右に 1、上に 2 だけ平行移動したものだと読み取れます。実際、頂点は原点 (0,0) から (1,2) へ移っています。一般に y=a(x−p)2+q は y=ax2 を右に p、上に q 動かした放物線で、頂点は (p,q)、軸は x=p です。
一般形の頂点
同じ平方完成を一般の y=ax2+bx+c でおこなうと、次の形になります。
y=a(x+2ab)2+c−4ab2 したがって頂点の x 座標はいつでも −2ab です。この例では −2−2=1 となり、確かに一致します。y 座標は c−4ab2=−4aD とも書けるので、頂点の高さは判別式と直接つながっています。
頂点が語ること
a の符号は放物線の向きを決め、頂点の y 座標の符号は x 軸と交わるかどうかを決めます。
| a の符号 | 向き | 頂点 | x 軸と交わる条件 |
|---|
| a>0 | 下に凸 | 最小値を与える | 頂点が x 軸より下 |
| a<0 | 上に凸 | 最大値を与える | 頂点が x 軸より上 |
この例では頂点 (1,2) が x 軸より上にあり、下に凸なので、グラフは x 軸とまったく交わりません。頂点さえ分かれば、最大・最小も交点の有無も読み取れるわけです。
グラフの 2 つの大きな点は、y=x2 の頂点 (0,0) と、y=x2−2x+3 の頂点 (1,2) です。