y=tanhxy = \tanh x

双曲線正接関数 y=tanhxy = \tanh x のグラフ

双曲線正接関数 y=tanhxy = \tanh x は、双曲線正弦と双曲線余弦の比として次のように定義されます。

tanhx=sinhxcoshx=exexex+ex\tanh x = \frac{\sinh x}{\cosh x} = \frac{e^x - e^{-x}}{e^x + e^{-x}}

「ハイパボリックタンジェント」と読み、三角関数の正接 tanx\tan x に対応する双曲線関数です。

定義域と値域

分母の coshx\cosh x はつねに 11 以上で決して 00 にならないため、tanhx\tanh x はすべての実数 xx で定義されます。定義域は実数全体 (,)(-\infty, \infty) です。一方、値は必ず 1-1 より大きく 11 より小さい範囲に収まるため、値域は開区間 (1,1)(-1, 1) です。

対称性

tanh(x)=tanhx\tanh(-x) = -\tanh x が成り立つため、tanhx\tanh x は奇関数であり、グラフは原点に関して点対称です。

増減と単調性

導関数は ddxtanhx=sech2x=1tanh2x\dfrac{d}{dx}\tanh x = \operatorname{sech}^2 x = 1 - \tanh^2 x です。これはつねに正であるため、tanhx\tanh x は実数全体で狭義単調増加します。原点で最も急な傾き 11 をもち、両端に向かうほど傾きがゆるやかになる、なめらかな S 字型の曲線を描きます。

漸近線と極限

x+x \to +\infty のとき tanhx1\tanh x \to 1xx \to -\infty のとき tanhx1\tanh x \to -1 に近づきます。したがって直線 y=1y = 1y=1y = -1 が水平漸近線です。曲線はこれらの線を越えることはありません。

特徴的な点

原点 (0,0)(0, 0) を通り tanh0=0\tanh 0 = 0 です。この点は変曲点であり、曲線の対称の中心でもあります。原点付近では tanhxx\tanh x \approx x と近似できます。

他の関数との関係

定義そのものが sinhx\sinh xcoshx\cosh x の比です。また tanhx=e2x1e2x+1\tanh x = \dfrac{e^{2x} - 1}{e^{2x} + 1} と書き換えることもでき、シグモイド関数 σ(x)=11+ex\sigma(x) = \dfrac{1}{1 + e^{-x}} とは tanhx=2σ(2x)1\tanh x = 2\sigma(2x) - 1 の関係で結ばれています。

応用

tanhx\tanh x は有界でなめらかな S 字型をもつため、ニューラルネットワークの活性化関数として広く使われてきました。また統計や物理では、値をある範囲に収める飽和関数として、あるいは磁化や信号の応答を表すモデルとしても登場します。