ガウス関数 y=e−x2
y=e−x2 は、指数関数 eu の指数部分に u=−x2 を代入した関数で、左右対称の美しい釣鐘形(ベルカーブ)を描きます。統計学における正規分布の核となることから、確率・統計をはじめ、物理学や信号処理まで幅広く登場する最重要関数の一つです。
定義域と値域 すべての実数 x に対して定義されます。−x2≤0 なので 0<e−x2≤1 となり、値域は (0,1] です。x=0 のとき指数がゼロとなり y=e0=1 で最大、x が原点から離れるほど値は小さくなりますが、決してゼロには達しません。
対称性 f(−x)=e−(−x)2=e−x2=f(x) が成り立つため偶関数であり、グラフは y 軸に関して線対称です。
増減と極値 導関数は f′(x)=−2xe−x2 です。x<0 で f′(x)>0、x>0 で f′(x)<0 となるので、x=0 を境に増加から減少へ転じ、頂点 (0,1) で最大値をとります。極小値は存在しません。
漸近線と極限 x→±∞ のとき −x2→−∞ なので e−x2→0 となり、x 軸(y=0)が水平漸近線です。減衰は指数的に速く、たとえば x=3 で y≈0.000123 とほとんどゼロになります。
変曲点 二階導関数は f′′(x)=(4x2−2)e−x2 で、これがゼロになる x=±21≈±0.707 が変曲点です。そこでの値は y=e−1/2≈0.607 で、曲線が上に凸から下に凸へ切り替わる、釣鐘の「肩」にあたります。
他の関数との関係 標準正規分布の密度関数 2π1e−x2/2 は、この関数を横方向に伸縮し、面積が 1 になるよう規格化したものです。全区間の積分は有名なガウス積分 ∫−∞∞e−x2dx=π で与えられます。
応用と歴史 18〜19 世紀にド・モアブルやガウス、ラプラスらの研究を通じて誤差論・確率論の中心に据えられました。測定誤差の分布、熱伝導方程式の基本解、画像処理のぼかし(ガウシアンフィルタ)、機械学習のカーネル法など、応用は今日でも数え切れません。