絶対値関数 y=∣x∣ のグラフ
y=∣x∣ は x から符号を取り去った大きさで、数直線上での原点からの距離を表します。x≥0 では y=x、x<0 では y=−x となり、∣x∣=x2 と書くこともできます。
定義域と値域
定義域はすべての実数です。距離を表すので値は負にならず、値域は y≥0 です。
- 定義域はすべての実数
- 値域は y≥0
- 最小値は x=0 での 0
- 変曲点はなし
対称性
∣−x∣=∣x∣ より、y 軸に関して線対称な偶関数です。
グラフの形
グラフは、直線 y=x の x≥0 の部分と、直線 y=−x の x<0 の部分をつないだ V 字形です。原点 (0,0) がその頂点にあたります。曲線ではなく 2 本の半直線なので、どこも曲がっておらず、変曲点はありません。
原点のとがった点
導関数は x>0 で 1、x<0 で −1 です。
| x の範囲 | y | 傾き |
|---|
| x<0 | −x | −1 |
| x=0 | 0 | 定まらない |
| x>0 | x | 1 |
原点では左からの傾きが −1、右からの傾きが 1 で一致しないため、x=0 では微分できません。グラフはつながっている(連続である)のに微分できない、という関数の代表例です。放物線 y=x2 が原点でなめらかな谷になるのとは対照的に、∣x∣ は鋭い角をつくります。
方程式 ∣x∣=a の解
| a | 解の個数 | 解 |
|---|
| a>0 | 2 つ | x=±a |
| a=0 | 1 つ | x=0 |
| a<0 | なし | 解なし |
特徴的な点
(±1,1)、(±2,2)、(±3,3) を通ります。傾きの大きさはどこでも 1 で一定なので、原点から遠ざかるにつれて値は一定の割合で増えます。
他の関数との関係
∣x∣=x2 であり、max(x,−x) とも書けます。同じ偶関数でも x2 は原点付近で平らになりますが、∣x∣ は一定の傾きで折れ曲がります。平面上の点までの距離 x2+y2 は、この関数の 2 次元版といえます。
応用
誤差の大きさを符号なしで測るときに使います。
- 統計では絶対値の和(L1 ノルム)を最小にする方法が、外れ値に強い当てはめとして知られている
- 三角不等式 ∣a+b∣≤∣a∣+∣b∣ は距離を扱う数学の土台
- 機械学習の ReLU は max(x,0)=2x+∣x∣ と書け、絶対値関数の右半分だけを取り出した形