y=1−x2y = \sqrt{1 - x^2}

無理関数 y=1−x2y = \sqrt{1 - x^2} のグラフ(上半円)

y=1−x2y = \sqrt{1 - x^2} は、原点を中心とする半径 11 の円の上半分を表す無理関数です1。両辺を 22 乗すると、単位円の方程式が現れます。

x2+y2=1x^2 + y^2 = 1

円そのものは、11 つの xx に yy が 22 つ対応するので関数になりません。根号を正の側だけにとって上半分を切り出したものが、この関数です。

定義域と値域

  • 定義域は −1≤x≤1-1 \leq x \leq 1
  • 値域は 0≤y≤10 \leq y \leq 1
  • 偶関数
  • 定義域が有限の区間に閉じている

根号の中は 00 以上でなければならないので、1−x2≥01 - x^2 \geq 0 から定義域が決まります。区間が閉じているのが、他の多くの関数と違うところです。

増減と最大点

導関数は y′=−x1−x2y' = \dfrac{-x}{\sqrt{1 - x^2}} です。x<0x < 0 では正なので増加し、x>0x > 0 では負なので減少します。x=0x = 0 で最大値 11 をとり、その点が半円の頂上です。頂上での接線は水平になります。

端点での接線

xx が ±1\pm 1 に近づくと分母が 00 に近づくため、∣y′∣→∞|y'| \to \infty となります。したがって端点 (−1,0)(-1, 0) と (1,0)(1, 0) では接線が垂直に立ち、そこで微分はできません。円の接線が半径と直交することを思い出せば、これは当然の結果です。曲線は xx 軸に垂直にぶつかって終わります。

特徴的な値

xxyy
0011
±12\pm\dfrac{1}{2}32\dfrac{\sqrt{3}}{2}
±22\pm\dfrac{\sqrt{2}}{2}22\dfrac{\sqrt{2}}{2}
±1\pm 100

曲線上の点はつねに原点からの距離が 11 で、曲がり具合もどこでも一定です。放物線のように場所によって曲率が変わることはありません。

他の表し方

x=cos⁡θx = \cos\theta、y=sin⁡θy = \sin\theta(0≤θ≤π0 \leq \theta \leq \pi)と媒介変数で表せます。下半分は y=−1−x2y = -\sqrt{1 - x^2} で、22 つを合わせて円全体になります。半径 rr の円にすれば y=r2−x2y = \sqrt{r^2 - x^2} です。

積分と π\pi

この曲線と xx 軸で囲まれた面積は半円の面積そのものです。

∫−111−x2 dx=π2\int_{-1}^{1} \sqrt{1 - x^2}\,dx = \frac{\pi}{2}

積分によって π\pi を取り出せる、古典的で美しい例です。また 1−x2\sqrt{1 - x^2} を含む積分は x=sin⁡θx = \sin\theta と置く三角関数置換の典型で、微分積分の教科書に必ず登場します。

  1. Circle、Wikipedia