放物線の接線
放物線の接線とは、曲線に触れるように接する直線のことです。接する点で、曲線と同じ傾きをもつ直線だと言いかえることもできます。ここでは放物線 y=x2 上の点 (1,1) における接線を求めます。
微分で求める
y=x2 を微分すると y′=2x なので、x=1 での傾きは 2 です。よって接線は次の式になります。
y−1=2(x−1) 整理して y=2x−1 となります。
重解として確かめる
接線であることは、微分を使わなくても確かめられます。放物線と直線を連立させると、次の式になります。
x2−2x+1=(x−1)2=0 解は x=1 の重解で、共有点はただ 1 つです。2 つの交点がちょうど 1 点に重なった状態、それが接するということでした。
判別式で求める
この見方を使えば、微分を知らなくても接線を求められます。点 (1,1) を通る傾き m の直線を y=m(x−1)+1 とおき、放物線と連立すると x2−mx+m−1=0 です。接する条件は判別式が 0 になることなので、次の式を解きます。
D=m2−4(m−1)=(m−2)2=0 より m=2 となり、微分で求めた傾きと一致します。判別式が 2 乗の形になり、接する傾きがただ 1 つに決まるところが気持ちのよい点です。
接点を動かす
一般に、y=x2 上の点 (a,a2) における接線は次の式です。
y=2ax−a2 | 接点 | 傾き | 接線 |
|---|
| (−1,1) | −2 | y=−2x−1 |
| (0,0) | 0 | y=0 |
| (1,1) | 2 | y=2x−1 |
| (2,4) | 4 | y=4x−4 |
接点を動かすと傾き 2a も変わり、その変わり方が導関数 y′=2x にほかなりません。その点での傾きを関数として取り出したものが微分だ、という考え方の出発点が、この接線です。
外側の点から引く接線
放物線の外側の点からは、接線が 2 本引けます。たとえば点 (0,−1) を通る傾き m の直線 y=mx−1 を連立すると x2−mx+1=0、判別式 D=m2−4=0 より m=±2 です。接点はそれぞれ (1,1) と (−1,1) で、放物線をはさむように 2 本の接線が引けます。放物線の内側の点からは 1 本も引けません。
直線による近似
接線は、その点の近くで曲線を直線として見る近似でもあります。x=1 の近くでは x2≈2x−1 と見なせます。
| x | 接線の値 | x2 の値 | ずれ |
|---|
| 1.01 | 1.02 | 1.0201 | 0.0001 |
| 1.1 | 1.2 | 1.21 | 0.01 |
| 1.5 | 2 | 2.25 | 0.25 |
ずれは (x−1)2 そのもので、接点から離れるほど 2 乗で大きくなります。裏を返せば、接点のごく近くではずれが無視できるということです。曲線を局所的に直線で置きかえるこの考え方が、微分のあらゆる応用を支えています。グラフの大きな点が接点 (1,1) です。