y=∣x∣ 無理関数 y=∣x∣ のグラフ
y=∣x∣ は x の絶対値 ∣x∣ の平方根です。∣x∣ が常に 0 以上なので根号の中身が負になることはなく、定義域はすべての実数、値域は y≥0 です。x≥0 では y=x、x<0 では y=−x と場合分けできます。
∣−x∣=∣x∣ なので ∣−x∣=∣x∣ が成り立ち、y 軸に関して左右対称な偶関数です。右半分は x そのもので、それを y 軸で折り返して左へ広げた形になります。
x>0 では y′=2x1、x<0 では y′=−2−x1 です。x→0+ で y′→+∞、x→0− で y′→−∞ となり、原点では両側の接線がともに垂直に切り立ちます。そのため原点は鋭くとがった点(尖点)になり、そこでは微分できません。
増減としては x<0 で減少、x>0 で増加し、原点 (0,0) で最小値 0 をとります。全体としては両側がゆるやかに立ち上がる、鳥が翼を広げたような形です。具体的な値は x=±1 で y=1、x=±4 で y=2、x=±9 で y=3 で、∣x∣ が 4 倍になるごとに y が 2 倍になります。
折れ線の絶対値 y=∣x∣ が原点で角(とがり)をもつのと同じように y=∣x∣ も原点で微分できませんが、こちらは接線が垂直になる分だけいっそう鋭く見えます。原点から離れると ∣x∣ よりも値の増え方はゆるやかで、たとえば x=100 では ∣x∣=100 に対し ∣x∣=10 にとどまります。
同じく原点に尖点をもつ y=x2/3 と似ていますが、原点付近では ∣x∣ の方がゆっくり 0 に近づきます。たとえば x=0.01 では ∣x∣=0.1 に対し x2/3≈0.046 です。
平方根と絶対値を組み合わせた基本的な合成関数で、関数を偶関数にする操作や、原点での特異な振る舞い(尖点)を学ぶ題材としてよく使われます。距離やばらつきに関係する量を扱う場面にも現れます。