y=tanxy = \tan x

三角関数 y=tanxy = \tan x のグラフ

正接関数 y=tanxy = \tan x は、正弦を余弦で割った三角関数です1。単位円では、角 xx の動径がつくる直線の傾きにあたり、直角三角形では対辺を隣辺で割った比に対応します。

定義

tanx=sinxcosx\tan x = \frac{\sin x}{\cos x}

分母が cosx\cos x なので、余弦が 00 になる点では定義できません。

定義域と値域

  • 定義域は xπ2+nπx \neq \dfrac{\pi}{2} + n\pi を満たす実数
  • 値域はすべての実数
  • 周期は π\pi
  • 奇関数

正弦や余弦と違って、値に上限も下限もありません。

周期性

周期は π\pi です。正弦や余弦の 2π2\pi の半分で、tan(x+π)=tanx\tan(x + \pi) = \tan x が成り立ちます。同じ形の枝が π\pi ごとに繰り返されます。

対称性

tan(x)=tanx\tan(-x) = -\tan x より、原点に関して点対称な奇関数です。

漸近線と極限

x=π2+nπx = \dfrac{\pi}{2} + n\pi の各点に垂直な漸近線をもちます。分母の符号がどちらから近づくかで、飛び先が正負に分かれます。

近づき方cosx\cos xtanx\tan x
x(π2)x \to \left(\dfrac{\pi}{2}\right)^{-}0+0^{+}++\infty
x(π2)+x \to \left(\dfrac{\pi}{2}\right)^{+}00^{-}-\infty

グラフは漸近線ではさまれた枝の集まりになります。

増減

導関数は y=1cos2x=sec2xy' = \dfrac{1}{\cos^2 x} = \sec^2 x で、定義される範囲ではつねに正です。したがって各枝の内側では単調に増加します。

ただし実数全体で増加するわけではありません。漸近線をまたぐと値が ++\infty から -\infty へ飛ぶためで、増加といえるのは一つの枝の中だけです。

特徴的な値

xxtanx\tan x
0000
π6\dfrac{\pi}{6}13\dfrac{1}{\sqrt{3}}
π4\dfrac{\pi}{4}11
π3\dfrac{\pi}{3}3\sqrt{3}

零点は sinx=0\sin x = 0 となる x=nπx = n\pi です。π4\dfrac{\pi}{4}4545^\circ)でちょうど 11 になり、これが傾き 11 の直線に対応します。

原点付近の近似

原点での接線は傾き 11 の直線 y=xy = x です。

limx0tanxx=1\lim_{x \to 0} \frac{\tan x}{x} = 1

角が小さいとき tanxx\tan x \approx x と近似できます。展開の次の項まで書くと tanx=x+x33+\tan x = x + \dfrac{x^3}{3} + \cdots となり、sinx\sin x が原点付近で xx より小さくなるのに対し、tanx\tan xxx より大きくなります。

他の関数との関係

1+tan2x=1cos2x1 + \tan^2 x = \dfrac{1}{\cos^2 x} が成り立ちます。逆数は余接 cotx\cot x です。値域が実数全体なので、π2<x<π2-\dfrac{\pi}{2} < x < \dfrac{\pi}{2} に制限すれば一対一の対応となり、その逆関数が arctanx\arctan x です。

応用

直線 y=mxy = mxxx 軸となす角 θ\thetam=tanθm = \tan\theta を満たすので、正接は傾きと角度を橋渡しします。

  • 道路や屋根の勾配
  • 測量で「距離 ×tanθ\times \tan\theta」から高さを求める計算
  • カメラの画角と焦点距離の関係
  1. Trigonometric functions、Wikipedia