y=ln⁡xy = \ln x

対数関数 y=ln⁡xy = \ln x のグラフ

y=ln⁡xy = \ln x は exe^x の逆関数で、ee を何乗すると xx になるかを表します。自然対数と呼ばれ、eln⁡x=xe^{\ln x} = x が成り立ちます。

定義域と値域

eye^y はつねに正の値しかとらないので、ln⁡x\ln x を考えられるのは x>0x > 0 のときだけです。定義域は x>0x > 0、値域はすべての実数です。指数関数の値域と定義域が、そっくり入れ替わった形になっています。

増減とグラフの形

導関数は次のようになります。

y′=1xy' = \frac{1}{x}

x>0x > 0 では正なので単調に増加しますが、xx が大きくなるほど傾きは 00 に近づき、増え方は限りなくゆるやかになります。二階導関数は y′′=−1x2y'' = -\dfrac{1}{x^2} で負なので、グラフは全体が上に凸です。上限はなくどこまでも増えますが、その歩みは非常に遅く、ln⁡1000≈6.9\ln 1000 \approx 6.9 にしかなりません。

漸近線と極限

x→0+x \to 0^{+} では −∞-\infty に発散し、yy 軸(直線 x=0x = 0)が垂直漸近線です。x→+∞x \to +\infty では +∞+\infty に発散しますが、どんなべき関数よりも遅く、正の pp に対して次が成り立ちます。

lim⁡x→∞ln⁡xxp=0\lim_{x \to \infty} \frac{\ln x}{x^p} = 0

特徴的な点

(1,0)(1, 0) と (e,1)≈(2.718,1)(e, 1) \approx (2.718, 1) を通ります。a0=1a^0 = 1 より、底が何であれ対数関数は必ず (1,0)(1, 0) を通ります。点 (1,0)(1, 0) での接線は傾き 11 の直線 y=x−1y = x - 1 です。

対数法則

法則式はたらき
積ln⁡(ab)=ln⁡a+ln⁡b\ln(ab) = \ln a + \ln b掛け算を足し算に
商ln⁡ab=ln⁡a−ln⁡b\ln \dfrac{a}{b} = \ln a - \ln b割り算を引き算に
累乗ln⁡ap=pln⁡a\ln a^p = p \ln a累乗を掛け算に

計算の段を 11 つ下げるこの性質が、対数が計算の道具として使われてきた理由です。

積分としての定義

ln⁡x\ln x は 1x\dfrac{1}{x} の原始関数でもあります。

∫1xdtt=ln⁡x\int_{1}^{x} \frac{dt}{t} = \ln x

この積分を自然対数の定義とする立場もあります。底の変換公式 log⁡ax=ln⁡xln⁡a\log_a x = \dfrac{\ln x}{\ln a} により、すべての対数は ln⁡x\ln x の定数倍で書けます。

応用

  • 統計では尤度の積を対数尤度の和に直して扱う
  • 情報理論では情報量やエントロピーが対数で定義される
  • 計算量の O(log⁡n)O(\log n) は、二分探索のように 11 手で問題が定数倍小さくなる速さを表す