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ジョルダン標準形を求める練習……細胞の大きさはどう決まるか

細胞の個数は 、つまり で決まります[1]。

いちばん大きい細胞のサイズは、最小多項式に現れる の指数と一致します[1]。

個数と最大サイズが分かれば、たいていの場合は組み合わせが 1 通りに決まる。決まらないときだけ、 の階数まで見ます。

以下 12 問。 次から 次まで、細胞の分け方が割れる場合と、変換行列 を作る手順まで扱います。

数え方の道具

固有値 について、 と置きます。 です。

サイズが 以上の細胞の個数は、階差で出ます[2]。

とすれば で、細胞の総数になります。 を上げていくと、大きい細胞だけが残っていく。

問題 1

固有値は の重解。 の階数は なので、細胞の個数は 。

個でサイズの合計が なので、 次の細胞 個です。 自身がすでにジョルダン標準形になっています。

問題 2

固有値は の 重解。 の階数は で、細胞の個数は 。

合計が なので 次の細胞 個。これも 自身が標準形です。

問題 3

は 成分だけが で、階数は 。細胞の個数は です。

個で合計 なので、 次と 次に分かれます。並べ替えれば 自身が標準形です。

問題 4

上三角なので固有値は 。 は重複がないので 次の細胞 個です。

を見ます。 の第 1 行が 、第 2 行が 、第 3 行が で階数は 。

細胞の個数は 。代数的重複度が なので、 次の細胞 個です。

問題 5

次で固有値 の代数的重複度が 、 とします。分け方を絞ってください。

細胞の個数は 。合計が なので、 か のどちらかです。

ここで止まります。個数だけでは決まりません。

問題 6

問題 5 で のとき、分け方を決めてください。

と置きます。 なら 、 なら 次の細胞が 段だけ残ります[3]。

階差の式で確かめます。サイズ の細胞の個数は 。

個とも 以上なので、 に決まります。 なら 次の細胞があり、 個にはなりません。

なら で、サイズ が 個。残り 個は 次なので です。

問題 7

、、 のとき、分け方を求めてください。

最小多項式の指数が なので、いちばん大きい細胞は 次です[1]。

なので細胞は 個。合計が で、最大が 、個数が 。

に決まります。 では個数が になり、合いません。

問題 8

固有多項式は 。固有値は の重解です。

は両方の行が で階数 。細胞は 個で、 次の細胞 個です。

三角行列でなくても、手順は変わりません。

問題 9

問題 8 の について、 となる を求めてください。

まず固有ベクトル。 より で、 をとります。

次に一般化固有ベクトル。 を解きます。 なので、 でよい。

は 、 をこの順に列へ並べます。順番を逆にすると が左下に来てしまいます。

確かめます。 を計算すると 成分が 、 成分が 、第 2 行が 。そこへ を左から掛けると が出ます。

問題 10

固有値は の 重解。 の階数は なので細胞は 個で、 次の細胞です。

の階数は 、 で階数 。 が と ずつ落ちるのが、 次の細胞 個の形です。

べき零行列のジョルダン標準形は、対角がすべて になります。

問題 11

対角行列です。 の階数は なので、 の細胞は 個。

合計が で個数が なので、。 も 次です。

細胞が全部 次のとき、ジョルダン標準形は対角行列になります。対角化できる場合がこれにあたります。

問題 12

次で固有値 の代数的重複度が 、、、 のとき、分け方を求めてください。

階差をとります。サイズ が 個、 が 個、 が 個。

サイズ は 個です。

ちょうど 次が 個、ちょうど 次が 個。合計は で合います。

階差の列を最後まで並べると、分け方が一意に決まります。

細胞の個数

で出る。固有空間の次元そのもの

細胞の最大サイズ

最小多項式の の指数。 が になる最小の とも一致する

固有値と代数的重複度を出す

階数の列 を計算する

階差から各サイズの個数を読む

次で固有値 の代数的重複度が 、 のとき、ジョルダン標準形はどうなりますか。

  • 次の細胞 個
  • 次の細胞 個
  • 次の細胞 個
__RESULT__

細胞の個数が です。 個で合計が なので、サイズは しかありません。個数が に絞られた時点で、階数を追加で計算する必要はなくなります。

分け方が割れる場合も確かめます。

細胞の個数と代数的重複度だけでは分け方が決まらないのは、どんなときですか。

  • 固有値が複数あるとき
  • 個数と合計から 通り以上の組み合わせができるとき
  • 行列が対称でないとき
__RESULT__

次で個数が なら、 と の 通りが残ります。 まで計算して階差をとると、どちらかに決まります。

個数を数え、最大サイズを見て、必要なら階数の列を伸ばす。この 3 段で、ジョルダン標準形の形はすべて決まります。

出典

Keith Conrad. *The Minimal Polynomial and Some Applications*. University of Connecticut.
*Notes on Jordan Form*. Northwestern University.
David Dummit. *Applications of the Jordan Canonical Form*. Math 4571, Northeastern University.
細胞の個数は $n - \operatorname{rank}(A - \lambda I)$、最大サイズは最小多項式の指数。この 2 つでたいてい決まりますが、$4$ 次で個数が $2$ のときは $2+2$ と $3+1$ が残ります。そこで $\operatorname{rank}(A - \lambda I)^2$ まで計算し、階差 $r_{k-1} - r_k$ がサイズ $k$ 以上の細胞の個数になることを使う。12 問で、$2$ 次から $5$ 次まで、三角行列でない場合、べき零の場合、対角行列の場合を扱いました。$P^{-1}EP = J$ の $P$ を、固有ベクトルと一般化固有ベクトルから順に並べて作る手順も入れています。