正則行列と逆行列の存在条件

逆行列が存在する行列を正則行列と呼ぶ。正則性は連立方程式が一意に解けるかどうかと密接に関係しており、行列の最も基本的な性質の一つである。

正則行列の定義

次正方行列 に対して、 は単位行列)を満たす行列 が存在するとき、 を正則行列または可逆行列と呼ぶ。このとき の逆行列であり、 と書く。

逆行列が存在するなら、それは一意である。もし がともに の逆行列なら、 となる。

正則性の同値条件

次正方行列 について、以下の条件はすべて同値である。

は正則である
の列ベクトルは一次独立
の行ベクトルは一次独立
の解は のみ
は任意の に対して一意な解をもつ
は基本行列の積で表せる

これらの条件のどれか一つを確かめれば、正則性が判定できる。

行列式による判定

最も直接的な判定法は行列式を計算することである。 であれば は正則であり、 であれば は正則でない(特異行列と呼ぶ)。

2次正方行列の場合、逆行列の公式は次のようになる。

分母の が行列式であり、これが 0 でないときに限り逆行列が存在する。

正則行列の性質

正則行列には以下の性質がある。

積の逆行列では順序が逆になることに注意する。これは転置の場合と同様である。