二次形式と標準形
二次形式は、変数の二次の項からなる斉次多項式である。行列と密接に関係し、その標準形への変換は分類や最適化において重要な役割を果たす。
二次形式の定義
変数の二次形式とは、次の形の関数である。
係数を対称にとれば()、対称行列 を用いて
と表せる。この を二次形式 の行列と呼ぶ。
二次形式の分類
実対称行列 に対して、二次形式 は固有値の符号によって分類される。
正定値: すべての固有値が正( で )
負定値: すべての固有値が負( で )
半正定値: すべての固有値が非負
半負定値: すべての固有値が非正
不定値: 正と負の固有値が混在
標準形への変換
適当な正則行列 による変数変換 を行うと、二次形式は
となる。 が対角行列になるように を選べば、二次形式は標準形になる。
が対称行列なら、直交行列 で対角化でき、 は の固有値である。
シルベスターの慣性法則
二次形式を標準形に変換したとき、正の係数の個数、負の係数の個数、零の係数の個数は、変換の仕方によらず一定である。これらを符号数と呼び、二次形式の不変量となる。
正の個数を 、負の個数を とすると、 を二次形式の符号指数という。 がランクに等しく、 を符号と呼ぶこともある。
具体例
を標準形に変換する。対応する行列は
固有値は であり、一方が正、一方が負なので不定値二次形式である。標準形は
となる。ここで は固有ベクトル方向の座標である。